僕が、ヤル気がなく会社の愚痴ばかりこぼす社員を応援できるようになった理由

人材育成やチームづくりに関しては、世の中に様々なノウハウがあります。
しかし、それを活用して上手くいく人と、そうでない人がいます。
何が違うのか?
僕は、昔からそれがとても気になっていましたが、多くのリーダーを見てきて違いが分かってきました。

人はロボットではありません。
感情を持った存在だから、全てがシステマチックに進むことはないのです。

上手くいっている人は、システムの前に「情動の場」を創っているのです。

先日、これに関して、日本図解協会の多部田憲彦 理事長から面白い話を聞きました。

「情動という言葉はあるが理動という言葉はない」

人間の行動の原動力は「情」だということ。
しかし情動は目に見えないので扱いが難しいことも事実です。この扱い難いものに精通していることが優れたリーダーに共通することです。

しかも、相手をコントロールするのではない。
本当に部下のことを想った時に、情動の場が創られるのだと気づいたのです。

僕には、説明が難しい体験があります。
意味不明な説明だったらゴメンね…

昔、ヤル気がなく、いつも会社の愚痴ばかり言う社員がいました。
正直、好きではなかった。
顔を見るとヤル気が失せるし、まわりの社員への悪影響も心配でした。

「いつか辞めさせてやる」…すっとそんな事を思っていました。

そんなある時、映画「おくりびと」の原作小説である「納棺夫日記」の著者、青木新門さんの講演を聴く機会がありました。

そこで、ガツンと頭を殴られる様な話が出たのです。

ある心療内科の先生の話です。
心療内科には心を病んだ方が来ます。来る患者の多くが「先生、私、もう死にたい…」と言う。そんな人を毎日のように相手にしていたら、こちらが病みますよね?
ネガティブな思念が移り、「もう続けられない」と思ったそうです。

しかし、そんなある日、同じように「死にたい…」と言う患者から違うものを受け取ったそうです。

「彼らは、言葉では『死にたい』と言っているが、魂では『生きたい』と言っている」

心を病んで、辛い毎日を送っている…死んでしまいたいくらい精神が枯れた毎日が続いている…
そんな彼らが、今、この瞬間に自分の前にいて、助けを求めている。

言葉では死にたいと言っているが、彼らの魂は「生きたい」という強烈なメッセージを放っていることに気付いたそうです。

彼らの生命力が観えた時に、まったく違った接し方になったそうです。
診察のテクニックは変わりません。
相手の見方が変わっただけで、彼らは自らの力で快方に向かっていったそうです。

僕は、その話を聞いた後に、いつものように会社に行きました。
ヤル気がなく、いつも会社の愚痴ばかり言う社員がいました。

彼を見た時に、彼の魂の言葉が観えました。

「本当は、自分はこんなもんじゃない。自分だって凄いんだ。輝きたいんだ」

僕は、彼の肩を叩いて、「期待しているからね」と言いました。

彼から立ち上がる生命力を感知した、僕の情動が伝わったのだと思います。
彼は、すでに愚痴を言う人間の目をしていませんでした。

僕が、テクニックを超えた、人材育成とチームづくりの要諦をリアルに学んだ瞬間でした。

システムの前に情動の場を創る…伝わりましたでしょうか?

 

【今日の記事のテーマに特化したイベントを開催します】

この、説明が難しい領域を僕に教えてくれたが、滋賀県比叡山にある、行動科学研究所の岩田洋治先生です。
この素晴らしい世界を体験していただきたく、4月14日(日)に岩田先生とセッション講演会を行うことにしました。

僕の失敗事例を暴露して、その背景にある真理を解き明かします。
ちょっとドキドキです(笑)

参加費は5000円。残席12名となりました。
ご都合が合う方は、是非、足をお運び下さい。

↓詳細はこちらから
https://www.shijizero.jp/archives/9504

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!