「変わらなくちゃ、も変わらなくちゃ」を変える方法

人も企業も、そもそも変われない基本性質を持っている

人は安定を求める生き物だと思います。
僕もそうです。
成長している時って毎日がバタバタですが、「いつか安定したい」と願い、そのために努力をします。
ところが安定を手にした瞬間に衰退は始まります。
「今日やらなくても困らない、明日で良い」…そうやって、その「明日」がずっち先延ばしにされる。

で、いつの日か調子が悪くなり「変わらなくちゃ」と焦る。
でも、今日明日、最悪の事態になるわけじゃないから変えようとしない。
で、本当に困って「そろそろ『変わらなくちゃ、も変わらなくちゃ』となる。

人も組織も変われない…先延ばしをする性があるのだと思います。

面白い実証実験があります。
アタリとハズレが半々のクジがあります。
当たった場合、1万円がもらえますが、ハズレを引いたら5000円払わなくてはなりません。「引かない」という選択肢もある。

すると、多くの人が引かない選択をするそうです。
人は損をしたくない生き物ということです。

さらに、この実験に新たな条件…「引かなくても3000円を差し上げる」という条件を加えます。
すると挑戦者はさらに減るそうです。

さもありなん、という感じですよね?

これを商売に当てはめると、新しい挑戦をすれば大金を手にする可能性がある。
しかし、失敗したら損もあり得る。
しかし、挑戦しなくても、しばらくは今の収入が続く…

挑戦がいかに難しいことか、分かりますよね?

人は損をしたくない生き物なのだから、「このまま変革をしないと損をする」と伝えることも大切だと思います。

リーダーは決断し、変革のメカニズムを冷静に観る

後継社長の中に「安定した組織を改革する」という任務に当たる方がいます。
先代が頑張って事業を安定成長の段階にまで持っていった、しかし、安定ゆえに新たな挑戦を避け時代に乗り遅れてしまったという組織は非常に多いと思います。

とても大変な改革だと思います。

例えば、僕が先代の後を継いだ24年前、新聞業界はピークを迎えていました。
最も安定した時期ですが、すぐに衰退が待っている…そんな時期でした。
とても良いタイミングで継いだと思います。
なぜなら成功体験がまったくないので、改革がしやすいからです。
また、改革には痛みが伴いますが、突然、社長になったため、しがらみがなく断行できたからです。

その時は無我夢中で気づきませんでしたが、後に改革の典型的なメカニズムが働いたのを知りました。

それは、実は、変えるのはリーダーではないという事です。
え!?どういうこと?って感じですよね。

変革はリーダーにしか決断が出来ませんが、変革を実行するのはスタッフだということです。
スタッフが動いてくれなければ何も変わりませんからね。

実は、変革の必要性に気付いている社員は1割くらいはいます。
彼らは居酒屋で「ウチの会社はこのままではダメだ」と熱く語っています。
いませんか?近くにそういう人。

しかし、変革は過去を否定することなので自分から名乗り出ることは難しい。
立場的にそれを言う権限もないし。
しかし、リーダーが変革を宣言すれば動いてくれる「可能性がある」人たちだと考えています。

リーダーは、変革に参加しない部下を責めたくなりますが、それをすると抵抗勢力が生まれ、変革のために動き出した部下と対立します。
変革が困難になる。

変革に参画しない人を敵にせずに、参画してくれる部下に目を向け、感謝することだと思います。その態度が、参画者を増やす一番の方法だと考えます。

まずはリーダーは宣言すること。
「変わらなくちゃ、も変わらなくちゃ」なんて言っている場合じゃないかもしれません。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 


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