ある新聞店の事例で学ぶ、ビジョンを改めると企業はこんなにも変わるということ
山積する問題は、実は1つの根本原因から派生している
企業には様々な問題が山積しています。
最近だと、人材不足、離職率の高さ、モノが売れない、利益率が下がっている、社員のモチベーションが低い、自発性が足りない…
そんな課題を抱えている企業が多いと思います。
しかし、様々な問題はありますが、実は、それらは1つの根本原因から派生していることが多いのです。
これを僕に教えてくれたのが、たくらみ屋の相棒、森本繁生です。
彼はTOC(制約理論)の国際インストラクターの資格を持っています。彼の根本原因探しのノウハウは秀逸です。
社内で起きている「好ましくないこと」を付箋に全部書きます。そして、それがどんな因果関係で繋がっているかを分析します。
すると見えてきます、根本原因が。
根本原因が解決すると、オセロがひっくり返るように全てが改善することが分かります。
多くの企業でビジネスモデルの賞味期限切れが根本原因であることが多いのです。
ビジネスモデルが陳腐化して未来に希望を感じられないから、募集をしても人が来ないし、離職率も上がります。既存社員も目指すゴールが分からないから自発的に動きようがありません。
例えば、僕が23年間お世話になった新聞業界がそうです。
20年前に購読者が減り始めました。インターネットによる影響です。
もちろん新聞には新聞特有の優れた情報が載っていますが、ほとんどの情報はネットに無料で転がっています。
購読者が減る…業界が成熟期を過ぎ、衰退期に入りましたがビジネスモデルは変わっていません。業績低迷はもちろんですが、未来に希望が持てないから人材の確保に四苦八苦しています。
ビジネスモデルの陳腐化は現場レベルではリカバリーできません。
従来の手法では成果が出ない、でも、それに代わるやり方もない…モチベーションは下がります。
ビジネスモデルを刷新して息を吹き返した新聞店
ところが、そんな中にあり、元気な新聞店もあります。
東京都板橋区にある新聞店です。僕が主宰する夢新聞の講師が社内に3人もいます。
高齢者向けの健康教室もやっていますしハウスクリーニングのサービスも行っています。
近々、独自の動画配信システムをつくり、超ローカルなメディア事業に進化しようとしています。
これまでの「新聞を仕入れて訪問販売で売る」というモデルから「地域の未来創造拠点」に変態したのです。
すごいですよね〜
同社の躍進の秘訣は、社長の度量の大きさにあると考えています。
ビジョンを語り変革を求める。
でも、自分では具体的なことはしません。30代、40代の社員さんたちに全部を任せています。
まさに指示ゼロ経営です。
みんな、自分の才能や得意が仕事に活かせるので、本当に仕事が楽しそうです。
同時に、大きな責任を持っている緊張感もあります。
社員には年に4回ほど会いますが、会うたびに成長しています。
話す内容が経営者と同じだし、いちいち社長に聞かなくても意思決定します。
自分たちがやっていることを、そのまま求人広告に書くので反応が素晴らしく良いのです。
おそらく日本に2万店以上ある新聞店の中で、ダントツでトップクラスだと思います。
今や、就職説明会には大卒の人まで来るそうです。
僕は、自分の経験、そしてこの新聞店の実践から、今や確信を持っています。
どんなに小さくても有名でなくても、夢のあるところには人が集まると。
人、とは働く人であり顧客です。
山積している様々な問題は、実は1つの根本原因から派生している。
一番、根っこにあるのはビジネスモデルの陳腐化、ビジョンが見えなくなってしまっていることが多いと考えるのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。
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