ありもしない未来を描く「ウソ力」から本当に未来が創られていく

企業には「ありもしないものを想像する力」が求められると思います。
想像から創造が生まれますが、想像はウソの世界です。
毎日、ほとんどの時間と労力、頭脳を現実的な業務に使っていますが、時に現実の枠を超えたウソをつく時間が必要、そう思うのです。
しかも、それを組織ぐるみで行うことだと。

酒の席でノリで出したアイデアが全国に広がった

今は世の中に一通りのものが出揃いました。
例えば、カフェをつくるのも以前と比べてすごく難しくなってきていると思います。
例えば、スターバックスコーヒーが日本にお目見えしたのは1996年です。
カフェの概念が変わりました。
その当時であれば、例えばお客様に「どんなカフェが欲しいですか?」と訊けば、都会で経験した人が教えてくれたかもしれません。

でも今は一通り出揃ったので、誰にも正解が分かりません。
とても創造性の要る時代になったのだと思います。

「フロー」の研究で有名な心理学者、ミハイ・チクセントミハイは創造性について「意識を集中させて物事を考え続けると、思考は直線的で論理的で、予測可能な方向をたどる」と言いました。
目先のことに縛られると自由な発想ができなくなる、つまり創造性が降りづらくなるということです。

目先のことから開放される時間が大切だと思います。
その1つが酒…文字通り「飲みニケーション」です。
これを言うと昭和感丸出しですが、とても大切なことだと思うのです。

例えば、2010年に夢新聞が誕生した時も飲みの場でした。
200人ほどが集まるイベントの懇親会で親友が「夢新聞ってあったら面白くない?」と言い出しました。
それを聞いた僕は、「それは良いアイデアだ!でもウチらは酔っ払うと次の日覚えていないから、これから200人の前で発表しよう」と言いました。

酒の力は恐ろしいです。大勢の前でプレゼンなんてしたことのない7人が大風呂敷を広げたのです。
当時は「ウソの世界」でしたが、今や全国8100人以上の方が夢新聞ワークショップに参加してくれるまでに育ちました。

未来のその日を演じることで脳にマインドセットが起こる

たくらみ屋の相棒に我孫子勝広さんがいます。
彼は元、教員です。教員時代に子どもたちの夢を応援するプログラムを開発しました。
「夢寸劇」と言います。

文字通り寸劇をするのですが、これがありもしないウソ…未来を想像するトレーニングになるのです。
最初に夢寸劇の話を聞いた時は単なるレクリエーションだと思いました。
ところが実際にやってみると、これが非常に科学的に完成されたコンテンツでした。

僕が初めて体験したのは夢新聞の講師の合宿でした。
プログラムはまず寸劇のトレーニングから始まります。その時に出されたお題はこれです。
1、桃太郎が鬼ヶ島に鬼退治に行くという設定にする
2、寸劇の最後の決めゼリフは「癖が強い」

これだけが決められていて後は5人〜6人のチームで自由に創造性を働かせて物語を創ります。
やってみると三人寄れば文殊の知恵が働き、とても素晴らしい物語ができました。
またチームによってストーリーがまったく違うんです。

次に本番です。
夢新聞協会の当面の目標である書籍の出版をテーマに同じように物語を創るのです。
設定は「出版1年後のある日」です。
我孫子さんがこの設定を課したのには理由があります。それは「出版は最終目的ではない」ということです。その先がある。

 ケンカではないですよ、寸劇です

劇というところに肝があるということが分かりました。
非日常、話題性や社会性を考えないと劇として面白くないので、自然とぶっ飛んだ「ありもしないウソ」がつけるのです。
でも、やってみて思ったことは「ぶっ飛んではいるが不可能ではない」ということです。
そして、もう1つ、夢寸劇を体験したのは6月ですが、現在(10月)になっても内容をしっかりと覚えているのです。
自分の劇だけでなく、違うチームの内容まで鮮明に覚えているのです。
潜在意識にガツンと入るのだと思います。

脳は現実とイメージの区別がつかないと言いますよね。
理性では区別はついているが情動の脳(辺縁系)ではついていない。しかもイメージしたことを現実に起きたことのように記憶に刻み込んでいくと言われています。

「懐かしい未来」

そんなマインドセットが行われた瞬間に、未来は結晶化するのだと思います。
脳は自動目標達成装置と言った人がいますが、どうせセットするならちょっと飛躍した「懐かしい未来」をセットしたいですよね。

酒と寸劇にはそんな力がある、そう思っています。

それでは今日も素敵な1日を!

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