なぜか起こる「社長が不在の時に問題が発生する」という現象を考察した
常に社長が社内にいなくても問題なく回る会社があります。
社長がいなくても社員とチームが成長する会社もあります。
一方で1日空けるだけで業務が混乱する会社もあるし、3日も空けると社員が不安になる会社もあります。
そして、なぜか社長不在の時に問題が起こるという現象が起きます。
社長はいない方が良い、とは思いませんが社長がいないと業務が回らない、成長できないでは困ると思います。
メシの種を探すのは社長の大きな役割ですしね。
自律的に回る、自律的に成長するチームはどうすれば育つのか?…今日はそんなことを考えたいと思います。
目を離してはいけない段階なのに不在にすると組織はおかしくなる
「企業あるある話」にこんなものがあります。
成功して社長が世間から注目されビジネス誌などでで紹介される、講演を依頼されるようになり会社を空けることが多くなったら組織がおかしくなったという話です。
地域の各種団体の役を受け会社を空けておかしくなる会社もあります。
その原因は目を離しちゃいけない時に離すからです。
僕はその状態を子育てに例えて考えています。
小さな子どもには手とり足取り教えないといけません。
知らないものはできないですからね。
これが「手を離してはいけない状態」です。社長は会社にいなければなりません。
先日、東北地方の指示ゼロ企業、岩手県一関市の京屋染物店にお邪魔しました。
あれほど指示ゼロで動いている会社でも、デザイン部門の新入社員には社長が手取り足取り教えているそうです。
まだ育成を他の社員に任せる段階ではないという判断です。
素晴らしいですね。
次の段階は弟ができた状態です。
弟ができたらお兄ちゃんが教えるのがお互いにとって良いと考えます。教えた方も学びになるからです。
会社では先輩がマンツーマンで教える「ペア制度」が成果を上げます。
しかし、お兄ちゃんは親がいるから安心して教えることができます。
だから手は離すが目を離してはいけません。
講演で外に出て組織がおかしくなるのは、目を離してはいけない段階なのに不在にするからです。
この段階にいる社長は、講演が終わって携帯の電源を入れると部下からの着信やメールが怒涛のごとく入ってきます。
セミナーに出ても休憩中は社員からの電話の対応に追われます。
ここがキーポイントです。
社員が自立できるかどうかの瀬戸際です。社長は自分が頼りにされていることが嬉しくなります。すると社員に自立して欲しくないと思い、共依存関係に陥る危険性があるのです。
なお会社を空けられなくなってしまいます。
一歩、自立の道に出たら、振り向くことなく歩き始める
目を離しても良い段階に来たら、社長はそのことを部下に伝える事が大切です。
これ、すごく大切で絶対に飛ばしてはいけないプロセスだと考えます。
いきなり目を離したら「社長は私たちを見捨てた」と誤解しますからね。
目を離す理由はシンプルです。
1、社長の社外での人脈づくりやメシの種の仕入れの時間をつくる
2、社員同士の学び合いで自律的に成長できる集団にする
3、社長の限界を超えたアイデアを出すため
これが下準備です。
そして実際に目を離す段階では痛みが伴います。
例えば、社長が目を離し社員が不安になると、あえて問題を起こすことがあります。
問題が起きれば社長が関わってくれると思うからです。ところがこれは無意識の業ですので本人にその自覚はありません。
そもそも問題は人の心が乱れることで表面化します。心が乱れなければ単なる「客観的な課題」です。
こうした問題発生は十中八九起きると思って間違いありません。
自分たちで解決できるはずの問題が起きた時に社長が関わると、社員は「何だかんだ言っても社長がかまってくれる」ということを学習します。
相手をコントロールすることを覚えるのです。
関わるとさらに問題が降ってきますので要注意です。
あえて跳ね返す勇気、嫌われる勇気という、どこかで聞いたことがある力が求められると考えます。
この状態はいつまでも続きません。
断乳直後の赤ちゃんが、いつか慣れて泣き止むようなものだと思います。
人は自立すると、それまでとは違う素晴らしい世界が観えるようになります。
その世界の方が何杯も魅力的なので、元に戻ろうとはしないはずです。
振り返ることなく歩き始めるでしょう。
そうなったら社長は社員の自立に対し尊敬と感謝の気持ちを伝えることだと思います。
ここまで到達したら社長は本当に目を離して自分の道を歩くことができます。
ただし、最後まで「意識」は離さないでくださいね。
伝わりますから。
会社を社長の能力を超えて成長させるためには「目を離す」という挑戦が必要です。
その必要性を感じたら、その時にまた今日の記事をお読みください!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!
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