何度言ってもミスをする社員が一緒で変わった「ある情報」とは?
誰にでもケアレスミスはありますが、現場のミスは顧客離れに繋がるので、できればゼロにしたいものです。
ケアレスを防ぐ方法は非常にシンプルで「基本を怠らない」ということです。
すごくシンプルですが、一番の課題は「怠らないという行為をいかに自発的にやるか?」ということです。
怠っていないか?を1人1人チェックすることは不可能なので、本人の意識に委ねるしかありませんよね?
今日の記事は、どうすればそういう意識になってもらえるかということを考えたいと思います。
ミスは人を責めてもなくならない
まず確認したいのは、ミスを人のせいにしないということ。
今日のテーマは「意識」ですが、すぐに「意識が低い」と考えないことだと思う。
そんなことを言ってもミスは一向に減らないことは、毎日がミスとの戦いである新聞販売店経営の経験から僕は痛感しています。
弊社は1日に約5000件を人間の手で配達していますから、ミス撲滅には非常に力を入れてきたのです。
ミスが多い人と少ない人の違いは、取りも直さず「行動ラインナップ」にあります。
少ない人は、ちゃんとした手順を踏んで作業をしています。
多い人は、どこかをすっ飛ばしているか行動が間違っているのです。
「人ではなく行動にフォーカスする」
「行動を憎んで人を憎まず」…これが基本です。
この件に関しては、コチラの記事を参考にしてね。
ところが、冒頭で書いたように、その行動ラインナップを実行する本人にその気がなければ何も始まりません。
ここがとても難しい。
「意識を高く持て!」で済んだら、今頃、世界中からミスはなくなっていることでしょう。
僕は、これまで3種類の方法を取ってきましたが、先日、もっと素晴らしい方法があることをスタッフの実践から教えてもらいました。
僕が試した方法は次の通りです。
1、脅す
「これ以上ミスをするなら、この仕事が向いていないんじゃない?」と脅したこともありました。
これは効果がありましたが、関係性が悪くなり、その後、協力をしてくれませんでした。
得策ではないと思います。
2、お客様に迷惑をかけることによる損失を説く
これは上司が一方的に伝えても効果はありませんが、本人が自分で考えた場合は意識に変化が見られました。
ただし、その後に行動ラインナップのチェックを自分でしてもらわないと効果はありません。
3、お客様の「怒りの声」を伝える
お客様からの声は、喜びでも怒りでも社員の意識を成長させるものです。
ミスがクレームに発展した時は、その怒りの声を当該スタッフに伝えることはある程度の効果があると考えます。
でも、それ以上に効果を上げたのは「スタッフの悲しみの声」でした。
行動の意欲は合理、論理よりも感情から生まれる
ある日、女性の事務スタッフさんが近年稀にみる激しいクレームを受けました。
新聞配達の仕方に対するクレームですが、お客様は名乗らず、ひたすら電話で怒りと不満をぶつけたそうです。
事務員さんは大ベテランですが、さすがに凹みました。
当然、配達部門へ連絡をしますが、彼女の伝え方が素晴らしかったのです。
普通だと「迷惑だ」という怒りのニュアンスで伝えると思います。
それが当然だと思います、自分のミスでもないのに怒られたのだから。
しかし、彼女は起きた事実とともに自分の気持をそのまま伝えました。
「さすがにめげました」と。
僕なら「二度と起きないように徹底して欲しい」と相手に要求をしたでしょう。
報告を受けた配達部門の主任の対応も素晴らしいものでした。
僕なら、配達員に「不始末のせいで仲間に迷惑をかけたんだぞ」という伝え方をしたと思います。
ところが主任は、この出来事だけを伝え、「各自、考えてください」と課題だけを投げたのです。非常に指示ゼロ経営的な対応だと思いました。
その後、配達現場のスタッフに大きな変化が起きました。
何も具体的な指示命令をしていないのに、各々が自分の行動ラインナップを見直したのです。
「天候の変化を予測しながらポストに入れる」とか。
僕も実際に現場(お客様のポスト)を見に行き新聞の入れ方を確認しましたが、丁寧な気配りがされているのが明らかに分かりました。
配達スタッフからしたら、普段からとても良く接してくれる事務員さんを、もしかしたら自分のミスで悲しませたかもしれないと考えたのでしょう。
合理的な行動には良い結果が付いてきますが、行動を起こす意欲は合理、論理よりも感情から生まれる事が多いと思います。
身近な人の「嬉しい」「悲しい」といった気持を大切にする人間性重視の経営が求められると考えています。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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