「なあなあ」な会議を意見が飛び交う創造的な会議に変える方法
会議が「なあなあ」になっている会社は結構多いと思います。
反論が出ない、しづらい雰囲気があり、何となく誰かが言った意見にみんなが流されてしまう状態です。
お人好しでは片付けられない、とても危険な状態だと考えます。
思考停止になり、みんなで地獄にまっしぐら、なんてことになってしまいますからね。
「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、本来、集団は賢い判断ができる力を持っていますが、「なあなあ」だと集団は馬鹿になります。
今日は、集団が賢い判断ができるための誰でもできる会議のコツを紹介しますね。
“みんなに従う”という同調行動が「なあなあ」の原因
人は大多数に流される特性を持っていますが、それを示す信じられない実験があります。
集団にりんごを見せて「これは何ですか?」と聞く実験です。
保育園か?って感じですが(笑)集団の中にサクラを入れ、1人に「ぶどう」と答えてもらいます。
すると、周りの人は「こいつはバカか?あるいはふざけているのか?」ってなりますよね?
ところが1割り程度の人が「ぶどう」と答えると、みんな不安になるんです。
で、80割くらいが答えると「ぶ、ぶ、ぶ、ぶとうです」って答える(笑)
最初は「おかしなヤツがいる」だったのが「もしかしたら、オカシイのは自分かも?」って思っちゃうんだよね。
「なあなあ」現象は、誰かが言ったことに対し、思考停止で「いいね」とやるとそれが広がり、内心、違うと思っている人まで「いいね」と言い出すわけです。
集団が馬鹿になるパターンはいくつかありますが、日本人には結構多いケースだと思います。
集団が賢い判断をするには最低、2つの要件が必要だと考えます。
1つは「独立性」
もう1つは「多様性」です。
独立性というのは「リンゴはリンゴ」と言える、自立した意志です。
集団の中に1人こういう人がいると助かります。
ただし、周りがその人を「協調性のないヤツだ」と排除しないことが求められますがね。
多様性というのは、梨と答えたりミカンと答える人がいる集団です。
別名「変人の集まり」ですが(笑)、たった1つの正解を導き出すのではなく、現代のような単一解がない、あるいは解が無数にある時代では多様性のある集団の方が面白いアイデアを出すことができます。
一番面白くない集団は、同じような経歴で、同じような教育を受けた「なあなあ」の集団です。「前例がないからダメ」なんてアホな意見をみんなが「ウンウン」と頷くような集団ね。
では、簡単に「なあなあ」になりやすい日本人の集団が独立性と多様性を確保するためには、会議をどんな風にすれば良いか?って話です。
書いてから発表するという手順で同調行動が少なくなる
同調行動をシャットアウトする最も簡単な方法は、「しゃべる前に書く」というものです。
「書いてからしゃべる」ってことね。
付箋に書き、それを張り出しながら1人1人に意見を言ってもらうわけ。
すごく簡単な方法ですが、これ1つで独立性と多様性が激しく増します。
そもそも「なあなあ」は同調しないことで嫌われたくないという恐れから起きるものです。
紙に書いた意見が張り出されていると、それを無視して同調すると、その人に申し訳ないと考える人が出て、会議が混乱します。
この混乱が集団が賢い判断をするために必要な課程だと考えるのです。
集団には3つの進化課程があると言われています。
1つは「村社会」で、意見が言えずに「なあなあ」になる状態です。
2つ目は意見は言えるが、衝突が起きてまとまらない混乱状態です。
3つ目は、独立した意見が結びつき化学反応を起こし面白いアイデアが出る状態です。
2から3に移るためには、様々な意見から化学反応を起こす必要があります。
その時に使える考え方が「Yes and」というものです。
「◯◯さんのそのアイデアはとてもよいと思います。(Yes)そのアイデア「ならば」(and)コスト面がクリアになれば進められそうですね」
これが「Yes and」ね。
対し、Yes butの会話もあります。
「◯◯さんのそのアイデアはとてもよいと思います。(Yes)ただ(but)コスト面が考慮されていませんよね」
これはキャッチボールではなくドッジボールです(笑)
「なあなあ」は危険である事を伝え、それを避けるために「書いてからしゃべる」方法を伝え、出た意見、アイデアで化学反応を起こす「Yes and」を伝える。
これで、相当に活性化した会議になると考えます。
異常に我が強い社員がいる場合、その人の意見に流されることもあります。
そんな場合は「Yes and」のアイデアも書いてから発表するという方法で少しはマシになると思います。
会議が馴れ合いにならずに「三人寄れば文殊の知恵」になる、賢い集団になったら仕事がすごく愉しくなると思いますよ!
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。
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