どんな地味な仕事にも「愉しみの種」がある。それを開花させよう
「好きなことを仕事にする」…そんな言葉をよく耳にします。
僕はそれに賛同しますし、そんな働き方ができたら人生はすごく楽しくなると思う。
成果も出ると思います。
一方で「今の仕事を好きでやっているわけじゃない」そんな人もいると思います。
というか圧倒的にそういう人の方が多いんじゃないかと思います。
そういう場合にどうするか?
思い切って転職するか?それとも仕事以外で生き甲斐を探すか?
今日は、そのどちらでもない第三の道について考えたいと思います。
第三の道とは「今の仕事を愉しいものに変える」という方法です。
僕は経営者として、指示ゼロ経営の提唱者として、仕事をクリエイティブにすることを常に考えています。
ところが、ウチのスタッフには僕の数段も上手の人がいます。
上司や社長の力を借りず、自ら仕事を「愉しい化」してしまうスタッフがいるのです。
そのスタッフは通称「ハッセ」長谷川さんという女性です。
担当している仕事は古紙回収と新聞代の集金です。
14年間、毎日毎日続けてくれました。
どちらも決して花形とは言えない地道な仕事です。
古紙回収は弊社が配った新聞を1軒1軒回収する仕事ですが、夏は汗だくになるし雪の日はクルマが動かなくなるし、路駐していると迷惑がられることもある大変な作業です。
集金では何度行ってもいない、居留守を使われることもあります。
僕の力、創造力ではこの仕事を愉しいものにすることはできません。
でも、ハッセはそれを自分で愉しいものに改良してしまったんです。
以前にハッセは僕に教えてくれました。
「ちょっとした感性があれば世界は輝きに満ちている」と。
「道端に咲く小さな花」「紅葉した山」「雪の美しさ」
よく、僕に「こんなに可愛い花が咲いていた」と話をしてくれました。
そのたびに嬉しい気持ちになりました。
地道な作業でも、いつもお客様との会話を楽しんでいました。
ハッセはお客様を喜ばせる天才なのですが、それは喜ばせようとしているのではなく、人の輝きを感じる感度が高いのだと思います。
僕が見たら普通の人でも、ハッセには特別な人に観える…だからお世辞じゃなく心からその人の素晴らしさを伝えられるのだと思う。
ある日、僕が会社に行き応接室に入ったら、こんなものが飾ってありました。
ちょっと前にガチャポンではやった「フチ子ちゃん」
トイレに行っても「フチ子ちゃん」がいる。
会社の冷蔵庫には、よくハッセお手製のお漬物が入っていました。
みんなに「うちの畑で採れた野菜を漬けたんだよ。食べてね!」と言っていました。
僕が一番「そうきたか!」と思ったのは、中学生の職場体験を受け入れた時です。
男子中学生をクルマの助手席に乗せて古紙回収にまわっていたときのことです。
後で中学生に聞いてビックリしました。
ハッセはいつも回収中にラジオをつけているんですが、移動中にラジオから、こんなパーソナリティの言葉が聞こえてきた。
「次のリクエストは、辰野町のハッセさんからです。ハッセさんは、今日、職業体験の中学生と一緒に仕事をしているそうです。『仕事って楽しいものだってことが伝われば嬉しいな』そんなコメントを寄せてくれました。ハッセさんとT君、聞いてますか?」
昨日は、ハッセの送別会でした。
14年間の感謝の気持ちを込めて、お昼にちょっと豪華なお弁当をとりました。
仲間が1人づつハッセに感謝の気持ちを伝えました。
みんな、思い出を噛み締めながら、言葉を振り絞るように、涙を流しながらすごく時間をかけてありがとうの気持ちを伝えていました。
ハッセは、とても素敵な笑顔で、清々しい笑顔でそれを受け止めていました。
最後にこう言いました。
「こんなに空気のいい会社は他にない。色んな人にこの素敵さを伝えたけど、言葉で伝えることはできない。1人1人の個性を大切にしてくれ、みんなが自由に働ける会社にいたことを誇りに思う」
こんなにも素敵な会社にした立役者の1人がハッセなんだよね。
僕は思いました。
仕事は、その仕事自体の中に喜びの種が詰まっている。
それを自分の手で見つけ開花させることができると。
そして、その姿はまわりの人の心に、希望や勇気や色んな気付きを与えるのだと。
みんな、いい笑顔だよね!
長谷川姉さん、14年間本当にありがとう!
日本に返ってくる時は、絶対に会社に遊びに来てね!
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