儲かる会社は意思決定が速い 〜チームでの意志決定を速める秘訣〜
「経営は意思決定である」と言いますが、本当にそう思います。
やると決めて本当に実行して改善しまた実行し…その繰り返しですからね。
でも、なかなか決められない。
決めても実行しない。
実行しても続かない…
そんなことって多いんじゃないかと思います。
僕もそうですから…
今日は、先日BMR研修を行った企業さんから気付いたこと…意思決定の速さと実行力を高める秘訣について書きますね。
意思決定の速さは企業の財産である
意思決定と実行力を高める方法は「チームで取り組むこと」だと思います。
チームは1人でできないことを成し遂げるために結成されますが、その中に意思決定の勇気と行動の継続(諦めない)があると思います。
1人じゃ思いつかないこと、勇気が出ないこと、諦めてしまいがちな事がチームでならできることは多い。
よく1人で商売をしている人が「1人だとやらないで済ませちゃうことが多い」と言うことがありますよね。
僕がやっている夢新聞という活動がありますが、そこでも同じことを感じます。
夢新聞とは、自分の将来の活躍を伝える、未来の日付の新聞」を書くワークショップです。
学校にお邪魔して行うことが多いのですが、アクティブラーニングの手法を取り入れ、制限時間までに「クラス全員、1人残らず」夢新聞を完成させる事をミッションとして与え、そこで協働、共創を体験するプログラムになっています。
毎回、人の集団の素晴らしさを見ることができます。
制限時間まで15分を切ると、中には「もう無理だ」と諦めモードになる子がいます。
多分、1人では諦めちゃうかもしれないのですが、仲間が助けてくれると挑戦できるんだよね。で、やってみると出来ちゃう、そんな場面をたくさん見てきました。
企業も同じだと思います。
先日、愛知県半田市の株式会社榊原さんで、企業のビジョンを全員参加で描くワークショップ「BMR研修」を行いました。
BMRとは夢新聞を活用した企業研修なのですが、同じように制限時間を設け協働を体験します。
BMR研修の様子はこちら。
制限時間内にミッションが達成できる企業は、およそ3割です。
その多く(ほぼ100%)が制限時間ギリギリで完成という事が多い。
僕は何回も講師をしていますが、今回は本当に見事でした。
なんと、完成させ紙くずなどの掃除をして、机の原状復帰をして終了。
消防団のようにキビキビ動くんです。
終始見ていて気付いたのが「意思決定が速い」ということです。
これは企業にとっての大きな財産です。
自分にできる事を自ら決め協働する
BMR研修の難しいところは「全員参加で」自社のビジョンを決めることと、新聞制作の役割分担決めに時間がかかることです。
経営計画書だけでは、なかなかビジョンは浮かんできません。
目を閉じれば、喜びに満ちた未来がありありとリアルに浮かぶものがビジョンです。
それは、全てを社長が示せるものではないと考えています。
その理由は、人は自分の視点からビジョンを描くからです。
例えば、顧客に喜ばれるイメージを描くにしても、社員によって「喜んで欲しい顧客」が違います。
自分たちがイキイキと働く姿だって、価値観が変わればイメージが変わってくる。
詳細でなければビジョンでありませんから、社長1人が提示することは不可能に近いと思います。
だから全員で描くのですが、通常これがすごく時間がかかるのです。
ビジョン設定に時間がかかると当然、新聞制作の時間がなくなるから制限時間内のミッション達成が難しくなる。
ところが、榊原さんはすごく速かった。
その理由は、「全員が主体者」で傍観者が1人もいないからです。
全員参加で何かを決める時に意思決定を遅くする原因は、無関心な傍観者の存在です。
意見の衝突はそれほど問題ではありません。
「私には関係ない」という人がいると「良いの?悪いの?」がハッキリせず、ちっとも前に進まないですよね?
さらに無関心な傍観者の中には提案なしで否定だけする人も多い。
それも意思決定を遅くする原因です。
榊原さんは全員が発言していました。
1人がアイデアを出すと、聞いていた人が「それなら…」と話を前進させ深めていきます。
パッパッパと決まって行くから、見ていて快感でした。
新聞の制作も「自分の割り当てはできたから良いや」という人が1人もいず、全員がミッション達成に向け、困っている人がいないか、全員が全体を見ていました。
この状態をひとことで言うとこうなります。
「共有されたミッションに向け、1人1人が自分に出来ることを自らの意思で決め、協働する」
どんな課題をも乗り越え、なんでもできる集団だと思います。
経営は意思決定の連続です。
それをいかにチームワークで速く良質なものするかが成功の鍵を握ります。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。