売った時をゴールにしていないか?お客様は買ってからがスタートなのに

理想の商売は「医者」だと思います。
医者が商売かどうか?は微妙だと思いますが、医者のような商売をしている人を僕は何人も知っています。
どういうことかと言うと、患者は医者に「あの薬とこの薬をくれ」って普通は言いませんよね?決めるのは医者です。
傲慢ビジネスのススメってことではなく、本当に信頼されるようになるとこちらが勧めたものをお客様が買ってくださるようになります。
 
今日は、僕の親友の事例から「医者型ビジネス」について考えたいと思います。

医者のような靴店を経営する素敵な社長

僕が尊敬する経営者に、長田達郎さんがいます。
愛知県刈谷市にある靴店、 快足楽歩カンパニー (株)おさだ ウイズ店を経営されています。
同社はまさに、信頼にも続く「医者ビジネス」なのです。
長田さんのブログはこちら!
 
まず、お店に行っても靴が数種類しか展示されていないのです。
これは医者に行っても薬が展示されていないのと同じです。
「本当は展示をゼロにしたい」なんておっしゃっていましたが、それだと何屋かまったく分からないので置いているという感じです。
 
僕も靴を買いにお邪魔したのですが、まずは「診断」から入ります。
足の形をしっかり見て、一番合う靴を選び、さらにそこに加工をし、その人オリジナルの靴に仕上げます。
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それが終わると、今度は履き方、脱ぎ方、手入れの仕方を教えてくれます。
これは医者で言うと薬の飲み方、生活指導に当たります。
 
まさに医者と同じ構造になっていますよね?
医者に指導されると日頃の不摂生を反省するように、長田さんの話を聞くと靴が健康に与える影響を知り、靴人生が変わります。
 
中には「つべこべ言わず靴を売ればいい」というお客様もいるでしょうが、そういう方には普通の靴屋さんを紹介するという徹底ぶりです。
 
それが積み重なって、今では「店主の取り扱い説明書」なるものまで存在します。
 
これも医者と同じです。
病院には医師の経歴やプロフィールなどが掲げてありますもんね。
 
長田さんは別に「強気な商売」を目指してこのスタイルになったわけではなく、靴のプロとしての責任だと考えているのです。
自分が知っている靴のある豊かな生活をお客様に伝えることが使命だと。
 
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強気を演出した商売は誰にでも出来ると思います。
でも、長田さんのように愛と責任に基づく商売は一朝一夕にはできません。
 
と同時に、目指すべき目標だと考えています。

成約はゴールではなくスタートである

僕は、常々、自分に言い聞かせていることがあります。
言い聞かせないとつい忘れてしまうからです。
それは、「成約はゴールではない」ということ。
 
数字が欲しいと思うと、つい「売って終わり」になりがちですが、お客様からしたら買った時がスタートです。
新聞を成約した時からお客様の物語が始まる。
「より良い生活」を求めての新しい物語が。
お客様が求めるものと、こちらが求めるものがズレていたら、そりゃお客様は離れていくよね?
そう考えると商売の見方が変わると思います。
よく「お客様が欲しいものはモノではなく、それを通じて得られるコト」だと言いますが、それは言い換えれば「モノ」ではなく「人」を観るということだと思います。
 
その視点が完全にできあがると長田さんのような医者ビジネスになるのだと思う。
靴が欲しいわけじゃない、靴を通じて健康的な毎日を過ごしたいと観た時に、真にお客様の幸せを願い、自分を磨き、接し方・売り方も変わっていくのだと。
そして、その姿勢が信頼を得て、頼りにされるのだと思います。
 
自分を頼りにしてくれる人を邪険にはできないですよね?
だから、常に自分を磨く鍛錬を怠らない、それがさらに信頼に繋がるという好循環が生まれるのだと思います。
 
繁栄の大原則だと思います。
 
長田さんは僕に会うと、いつも僕の足元を観ます。
足元を観る商売をしているのです(笑)
 
いつも下を向いている。
商売のやり方ではなく「あり方」が、その真剣な眼差しがとても素敵なのです。
 
僕の目標でもあり、ちょっとライバル意識も持っています。
 
医者になるのは楽じゃない、でも目指していきたい境地だと思っています。
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!