本当にデキる人ほど、使う言葉はいたってシンプルかつ単純

IMG_9223

理屈じゃない、心の言葉で人は気持ちが動く

社長は、もっと簡単でシンプルな言葉を使ったほうが良いと思います。
気取った言葉…ビジネスっぽい難解な言葉よりも子どもにも届く言葉が人の心には届くものだと思います。
僕は30代の頃にこのことを大先輩に言われました。
「米ちゃん、理屈っぽい」「勉強しているのは分かるけど、教科書に書いてある事を言っても人の心は動かんぞ」と。
 
そう、僕が難しい言葉を使っていたのは賢く見られたいからだった。
そしてそれが組織活性化の足かせになっていたのだと、今では思います。
今日は「言葉の力」について考えたいと思います。
 
人の心を動かすのはいつだって簡単な言葉だという話です。
以前に「文字の文化と声の文化」という話を聞いたことがあります。
地球上には文字を使わない「声の文化」で生きている部族もあります。
文字を使わないと論理的な思考が育たないので、簡単な問題が解けないと言います。
例えば、「金属は錆びます。貴金属は錆びません。金は貴金属です。金は錆びますか?」という問題に答えられないと言う。
 
「声の文化」の人たちにこの質問をすると、この様な答えを言うそうです。
「あんた、金は偉大だよ。神の石だ!」
あと、「ドッドッド」とか「ドワーン」とか擬音が多いそうです。
「何を言ってんだ?」って感じですが、理屈ではなく自分の思いをストレートに表現するので、すごく気持ちが動くそうです。
 
これは企業の中でも同じことが言えると思います。

本当にデキる人ほど、使う言葉はいたってシンプルかつ簡単

東日本大震災の直後、カルロス・ゴーンさんは壊滅したいわき工場に行き、社員に「よく耐えた!」「がんばっぺ!」と握手を交わしたそうです。
あの目で言われたら気持ちに火が付くよね?
これが「当工場は日産自動車の中でも最も重要な基幹工場であります。本社とコンセンサスを取りながら再建に勤めて行く所存であり…」なんて言われても「はあ、そうですか」で終わるよね?
政治家も支持を得られる人は、いたって簡単な言葉で国民に訴えます。
 
僕が難しい事を使いだしたキッカケは、継いだ当初は典型的な家業だったからです。
家業はダサいと思っていました。
ちゃんとした企業にしたかった。
企業のイメージはこう。
「専務、例の案件はどうなっている?」
「社長、A社とリレーションシップを取り、確実にディフェクトスタンダードになるようにしますよ」なんてよく分からない会話をスーツで交わす(笑)
カッコよく見せたいから賢こそうな言葉を使っていたのです。
 
でもね、70歳の新聞配達の方に「エンパワーメント・マネジメントなんちゃら」なんて言っても、頭の上に「?マーク」が100個くらい飛ぶだけ。
それなら、「◯◯さん、雨の日も雪の日も休まず、本当に凄いですよ!きっとお孫さんも後ろ姿を見て誇りに思っていますよ!」って言った方が心に届くよね。
 
心に届く言葉は自分が感じたこと、思ったことをストレートに表現したシンプルな言葉。
 
そして、その言葉が起爆点になり組織全体に伝播していきます。
集団の中には感度の高い人がいます。
いわゆる「感即動」の人ですが、割合は少ない。
でも、彼らが動くと、それに感化される人が出ます。
さらに、彼らが動いて一定の成果を出すと、多数派が動き出します。
こうして社長の思いが乗った言葉が集団に染み渡っていきムーブメントが起こります。
 
この集団のメカニズムに関してはこちらの記事を参考にしてね!
 
気取る必要なんかまったくない。
本当にデキる人ほど、使う言葉はいたってシンプルかつ単純なのです。
 
合言葉は「子どもに分かる?」ですね!
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!