社員を頼らない社長は傲慢である
社長に心配事はつきものです。
業績のこと、社員のヤル気、後継問題など、あらゆる不安を感じながら生きていると思います。それは正常なこと、でも、それを1人で抱え込むのは傲慢だと思います。
一見、無関心に見える社員も、実は社長1人で抱え込まないで欲しい、そう思っているはずです。
悩みを1人で抱え込まない…相談すれば「みんなの悩み」になりとても心強いはずです。
頼ると迷惑と考えてしまうが、むしろ逆である
僕が1人で抱え込むのを傲慢と言うのは、僕の経験からです。
20年も前の話ですが、夕方から重要な会議がありこれから出発!と思ったらアルバイトスタッフから電話があり「明日の朝の配達を休みたい」と言う。
「おいおい、今から手配している暇はないよ〜」そう思いつつ、1人バタバタと手配を始めました。
社員がいたのに頼むことをしなかったのです。
その理由はちょうどその時、社員たちは休憩時間だったから。
休憩を返上させてまでお願いをするのは申し訳ない、そう思った…
のではなく、借りができると思ったんです。
「どうせオレ1人だけが忙しい思いをすればいい」…そんな被害者意識でバタバタとしている僕を見て、当時の番頭さんが強く言いました。
「休憩なんてどっちでもいい!何で頼まないんだ!明日の朝、問題が起きたらどうするんだ」と怒りました。
社長のために、ではなく現場のために、お客様に迷惑をかけないために僕を叱責した番頭さんの方が、よほどリーダーらしいですよね?
もちろん社長には社員に相談できないこともあると思います。
でも、それはほとんどない。
ほぼ100%は、相談して一緒に取り組むべき課題なのだと思います。
なぜ、それが出来ないか?
「頼むと借りができる」「申し訳ない」「迷惑をかける」「弱いと思われる」
そうした理由なら、それは傲慢だと考えるのです。
頼らない方が申し訳ないし迷惑をかけるのです。
「一緒に考えよう」という態度が賛同者を増やしていく
何でも1人で悩み解決しなければと思うと、指示出し社長になります。
自分で考え決め、的確に指示を出さけばと思ってしまいます。
でも、組織は1人では出来ないことを達成するために創らるのだから、その考えは変だと思います。
頼ってしまえばいい、変な意地やプライドを捨ててね。
もしかしたら「ウチの社員に相談しても、それを自分事と捉えない」と思うかもしれません。
でも、ほとんどの場合そんなことはないと考えています。
そう思うのは「そういう環境を作っているから」だと思います。
どういうことかというと、社長が1人で頑張ると、周りの人はそれに依存するのです。
「オレがやらねば」という人のまわりにはその人に依存する人間ができる。
「一緒にやろう」という人のまわりには、それに賛同し動く人が「徐々に」現れます。
「今、こういうことで悩んでいるんだ」と言われれば、普通、それを無視するのには罪悪感を感じるはずです。
でも、多くの人は罪悪感を感じても行動する勇気がない。
「みんながやれば自分もやる」…それが現実です。
それではいつまで経っても動かないと思うかもしれませんが、見かねた誰かが口火を切るはずです。
このまま一生、誰も何もせず…その状態に身を置く方が耐えられないから。
相談した時に9人が傍観者でも1人でも賛同してれる人が現れれば、社長はその人に感謝することが大切だと思います。
そうすれば次の人が現れるから。
賛同者が複数になると、だいぶ「みんながやっている感」が出て、賛同が加速していきます。
「徐々に現れる」とはそういうことなんだよね。
悩みは尽きないと思いますが、それを1人で抱え込むのは、むしろみんなに迷惑だと思います。逆に、迷惑がかかるということは、それは「みんなの課題」であるということですよね?
だから、変な意地や見栄を捨て、みんなに相談をすることだと考えます。
まあ、意地や見栄を捨てるまでが大変なんだけど、これ以上悩めないところまで来ると、「もう頼るしかない」ってなるからね。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!