無報酬にも関わらず、最高の成果を上げた素人集団に見る組織力
「自発的に動く」+「1つの目的に向かう」=指示ゼロ経営
おはようございます。
台風が過ぎる毎に、次の季節に移り変わっていきますね。
そろそろ冬物の服を出そうかな??
さて、今日はこれまで僕が関わってきた指示ゼロ企業の事例から、自律型組織に変わるための要件を確認しようと思います。
無報酬にも関わらず、もの凄いモチベーションを発揮する人々
もう数年前の話ですが、とある私立の幼稚園からマーケティングの依頼を受けました。
正直思ったことは、「え?!この少子化の時代に難しい仕事だな?」ってこと。
さらに、園長先生と話をしたら、職員は忙しくてあまり関われない…(泣)
僕は、マーケティングの仕組みは作れますが、ターゲットであるお母さんの気持ちが分からないんです。
だから、チラシなりDMなり、販促物の作成は的を外すと思ったんです。
で、最初はお断りしようかと思ったんですが、いいアイデアが浮かんだんです。
在園児のお母さんとプロジェクトチームを結成して彼女達に実務をしてもらう。
指示ゼロ経営のノウハウを導入して、僕がいなくても自律的に活動するチームを作ろうと考えました。
結果から言えば、3年後には園児数は約2倍になりました。
プロジェクトチームのお母さん達は、すべて無償で働いてくれています。
何が起きたのでしょうか?
共有されたビジョンがあれば、人は自発的に動く
この件のポイントは、お母さん達が幼稚園を好きだという事。それは園が考える理想の教育に共感しているからだし、園長先生をはじめ、先生方が大好き。
そして少子化の煽りを受け、困っていることも知っていて、何かできる事がないか?と考えていたのです。
実は、この幼稚園、ミッション系で縦割り保育が特徴なのです。
年長さんが年少さんをお世話する、その生活の中で慈しみの心が育つのです。
良い幼稚園でしょ?
そんな幼稚園を救うため、そして1人でも多くの方にこの園に入って欲しいという「純粋な思い」が無報酬にも関わらず、彼女達を動かす原動力になった。
いや、無報酬というのは正確な表現ではなく、園のために「ひと肌脱ぐ」行為自体が報酬になっていたのです。
企業経営においても同じです。
勿論、賃金は払わなければ違法になりますがね(笑)
た?くさん払ってくださいね!
自社の商品、サービスを通じ「誰の、どんなハッピーを」創造するのか?
その実現を社員が望む場合、指示・命令されなくても主体的に関わるようになります。
「ひと肌脱ぎたい」エネルギーが1つに集結するために
さて、そうした自発的な行動がバラバラにならずに、1つの目的に向かい集結するためには「設計図」が必要になります。
設計図とは、マーケティングのモデルのこと。
まずは、ターゲットを絞り込み、その人の顔が浮かぶレベルにまでにプロファイリングします。
そして、そういう方とどのように出会うか考えます。
願書を出してもらうことが最終ゴールですが、最初はとにかく出会い、コンタクトをとることですよね。
そして、その方と人間関係を育む。同時に「園の教育により、どんな子が育つのか?」を教えて差し上げます。
具体的には、園の自由見学や体験保育を、これまで以上に魅力的で楽しいものに変えて、チラシやローカルメディアに広告を出したり、フリーマーケットを開催したりしました。
ターゲットが明確になっているので、彼女達がどんな店で食事をし、どんなサークルに入っているかが分かるので、そこに集中して仕掛けもしました。繋がった見込み客には、毎月ニューズレターを出して、園の教育内容と、ここで学ぶとどんな子に育つのかを教えます。
それらの活動を模式化した設計図がこれ。
「繁栄の設計図」もしくは「合法的な現金印刷機」と呼びます(笑)
まずは僕がこれをお母さんたちに説明します。
そのあと、設計図を基にどんな仕掛けをするのか、ワイワイガヤガヤと井戸端会議を行い、闊達にアイデア出しを行います。
やることが一通り出た時に、彼女達は何を感じるのか?
それは成功の確かなイメージと、それに関われた自分の「イケてる感」です。
それがさらなる自発的なモチベーションを生む好循環に繋がります。
思い、ビジョン、目標、やり方を「浸透」ではなく、全員の参画で決めているので、僕がいなくても自律的に活動するチームになり、大きな成果を上げることができるんですね。
あ、たまには僕も呼んで欲しいんだけどね…
若いお母さんたちとお茶会したいし(笑)
でも、最近入ったメンバーは僕の存在すら知らないという、喜ぶべき残念な状態になっています(笑)
指示ゼロ経営の実務がイメージ出来ましたでしょうか?
社長1人の力を超えた、組織の総合力がUPするのです!
それでは、今日も素敵な1日をお過ごしください!