優れた社員を育てる秘訣は「はひふへほ」

社員を育てる社長の言葉は、決して「褒め言葉」ではないと考えています。
多くの企業を見てきて、自発性が抜群に高い会社では褒め言葉とは違う言葉…いや、言葉になっていない言葉が飛び交っています。

今日は、そんな言葉(?)…「はひふへほ」について書きますね。

「はひふへほ」が人を育てる

まず、褒め言葉が危険な理由を整理したいと思います。
褒めるという行為には、相手をコントロールする意図があります。
相手を騙そうとか、そういう悪意ではないんですが、ヤル気を喚起したいとか気分良くなって欲しいとか、そういう思いがあります。

しかし非常に効果があるの一方で副作用もあります。
それは、褒められないと動かない社員が育ってしまう危険性があるのです。
また、褒め言葉は麻薬みたいなもので「もっと激しいのを」となる(笑)
立場が上の者から下の者に行われるものだから、やればやるほど上下関係を刷り込んでしまいます。
そうなると、上に褒められることはやるけど、上の期待を超える、ビックリするようなことはしません。
主従関係は強化されるがパートナーシップは築けないのです。

自発性の高い社員が育っている会社では、社長はこの手の褒め言葉は使っていません。
その代わりに、驚きの言葉…「はー!」「ひー」(悲鳴じゃないよ)「ふー」(溜息じゃないよ)「へ〜」「ほー」が飛び交っています。

明石家さんまはコミュニケーションの達人と言われますが、こうした言葉を多用していますよね?

社長の変化スピードを超える速さで変化する会社

先日、お邪魔した岩手県一関市の「京屋染物店」がそうでした。
HPはコチラ
http://www.kyo-ya.net/
社長を蜂谷悠介さんと言います。
会社に入った瞬間に、自発性の高さが分かりましたよ。
だって、社長が知らない間に作業場のレイアウトが変わっていて、社長がビックリしているんだもん。
見学に来た我々一行が「何をやっているんですか?」と聞くと、まるで講師のように分かりやすく丁寧に、そしてイキイキと教えてくれます。
聞いていると染物が欲しくなるくらい、楽しそうに魅力を語るんです。

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工場長の佐藤仁史さんの情熱はすごかった

自発性の行き着く先は「巻き込み力」ですが、彼らと話していると欲しくなる。

そして「はひふへほ」の登場です。
蜂谷社長は、社員の説明に、我々一行と同じように「ほー!」「へ〜!」と言うんです。
演技じゃないんです。
「何で、社長がそんなに驚いているん?」と聞いたら、「以前よりもバージョンアップしているから驚いた」と言うんです。

これが自発性の好循環です。

社員は、自分が納得する上質な仕事がしたい、誰に褒められなくてもしたいと思って行動している。
社長はそれに驚く。視察者がたくさん来て、みんな驚く。

「もう、社長は『はひふへほ』だけで良いんじゃない?」って思ったもん(笑)

社員さんが「変化しなければ京屋ではない」と言っていましたが、その要諦を見ました。
次にお邪魔した時は、今回とは違う「はひふへほ」が出るんだろうな、そう思いました。

変な褒め言葉は危険。
「はひふへほ」を、コントロールの意図ではなく正直な気持ちで言う。

これが自発性の好循環だと考えます。

それでは今日も素敵な1日を!