人材が育つ企業には、社員に積極的に失敗させる仕組みがある
通常、社内で一番ヤル気が高いのは社長です。
一番自発的なのも社長だし、一番勉強しているし問題意識も高い。
自立している。
でも、それってなぜ?
「選ばれた人間だから。人間としてのデキが違う」…そんなわけないよね?
置かれている環境の違いです。
その違いが分かると、社員が育つ環境も創れる、今日はそんな話です。
ヤル気も自発性も環境で決まる
僕は、自発性の高い組織を研究する上で「社長と社員の違い」の視点からアプローチしたことがありました。
初めから能力が高い人が起業したのなら分かりますが、後継社長も、やっぱり社内で一番意識が高い。
それがなぜか?と考えました。
遺伝的に優秀なのか?…そんなわけないよね?
経営は遺伝的形質だけで決まるものじゃない。
そこで参考になったのが先代が会長に退いたのにも関わらず、相変わらず現場で影響力を発揮している会社です。
息子に任せたのだから隠居すればいいのに、いちいちケチをつける人がたまにいます。
後継社長は自分の思うように活動できない。
よくある話ですが、それが度を越すと後継社長が育たない。
そこから僕は、自ら決め行動し、失敗し悔しい思いをし立ち直ることを繰り返し、人が成長するのだと気付きました。
社長はこの環境にいる。
でも、社員からそれを奪ってしまっているケースが非常に多いと思います。
結果を自分で受け取れる客観性の高いフィードバックが必要
もし、社員に任せられないとしたら、昔の自分を思い出すことです。
最初から優秀だったか?
そんなことはないですよね?
今と昔を比べたら、それこそ意識もスキルも哲学、思想も、雲泥の差があるはずです。
それを、今の自分と社員を比較して「意識が低い」と言うのはずいぶん無理があります。
しかるべき過程を通過して成長したはず。
その過程こそ「自ら決め行動し、失敗し悔しい思いをし立ち直ること」です。
だから、社員にもその環境を提供しようという話です。
社長が未熟だった頃、失敗をしたら誰に怒られたでしょうか?
会長が現場にしゃしゃり出る場合以外は、お客様や取引先だったと思います。
つまり、自分で決めて行動したことの客観的なフィードバックを自ら受け入れていた。
これが成長の源です。
だから社員に任せるには、行動の結果を自分で受け取れるだけの客観性の高いフィードバックが大切だということになります。
そこに社長の評価は要らない。
「結果は出なかったけどがんばった」なんて事は言わない。
「がんばったけど結果は出なかった」と事実だけを言う。
ちなみに、これは子育てにも応用できます。
朝、親が起こさないと寝坊する子の対策はとても簡単です。
「起こさないこと」
朝起きて時間までに登校するのは本人の責任です。
だから、自分で決めて行ったことの結果を受け入れさせればいい。
つまり、先生に怒られれば良いのです。
自立するとはこういう事ね。
今のあなたが出来上がった過程を社員にも体験させないと、いつまで経っても社員は育ちません。
人材育成は時間がかかるけど、それが一番の近道なのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしくださいね。
また明日!