「結果を出せ!」と発破をかける社長は無能である。

結果に対する意識が高い人は「結果を出せ!」「結果が全てだ!」なんて事を言いません。
なぜなら、結果は「結果が出るような行動の集積」があって初めて出るものだからです。
過程が良ければ結果は出る。
だから過程づくりに集中できる環境に配慮する必要があります。
「結果を出せ!」なんてうるさく言われたら、今、一番大切な過程づくりに集中できなくなってしまいますよね。

結果を求めると結果が出ない時代

今ほど結果を出すためには「過程づくり」が大切な時代はありません。
社会が成熟して「欲しいモノが特段ない」と考える生活者が多い時代ですから、以前のように宣伝量を増やしても売れない。

お客様の気持ちが乗らないと何も始まりません。
商品開発はもちろんの事、例えばチラシづくりだってお客様の感情が動くものじゃないと読んでさえもらえないのです。
感情が動いたお客様が何らかの行動をした結果が「売れたという結果」になる。

お客様に喜ばれることに集中できる環境がとても大切なのです。

しかし、人は「自分の事」と「相手の事」を同時に考えることができません。
脳がそのように出来ているのです。視点は1つしか持てない。
だから「結果を出せ!」という言葉が環境を破壊するのです。

以前に、ある社長が僕に「ウチの社員はお客様に喜ばれた事を嬉しがっていてダメだ」と言っていました。
「そんなことはどうでもいい、結果にこだわって欲しい」とも。

変な事を言っているのが分かりますよね?

結果は気合じゃなくシナリオの出来で決まる

それじゃ、結果なんて考えなくても良いのか?と言えばそうではありません。
ちゃんと結果に繋がるか?の検証はとても大切です。

例えば、弊社の例ですが「モア心地よさ運動」といって、徹底的にお客様に喜ばれる事をしよう!という運動を全社でやったことがあります。
お客様にお出しする封筒に、ちょっとしたメッセージを添えたりね。

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ご迷惑をおかけした時にはお詫びのメッセージを入れる

それで売上が上がったか?と言えばそうじゃありません。
お客様から野菜やお土産をいただくようになりました。
笑い話ですが夏になると会社中ナスだらけになるので、それを「ボーナスにするか?」って話になったくらいです(笑)

そう、お客様の感情は動いたのですが、それを商品を買ってくださるという行動が起きるような設計ができていなかったのです。
逆に設計ができていてもお客様の感情が乗らなかったら動いてくれません。

つまり「喜びの創造」と「シナリオづくり」の両方が大切なのです。

シナリオが良ければ、お客様の喜びは結果につながります。

シナリオの役者は社員です。
演じている時は、お客様に喜んでもらうことだけに集中していれば、ちゃんとシナリオ通りの結果になるってわけ。

どんなに良い役者でもシナリオが悪かったら結果は出ません。
気合でなんとかなるものじゃない。

「結果を出せ!」は禁句にしたいですね(笑)

それでは今日も仕事を愉しみましょうね!