聞く人の心を動かす言葉は何が違うのか?
経営者が使う言葉は非常に重要です。
言霊と言うくらいだから、意味以上のエネルギーがあり社員の行動に強く影響するからです。
今日の記事ではテクニック面とメンタル面から言葉を考えたいと思います。
コーチングが得意な友人から「脳は肯定と否定の区別がつかない」という話を聞いてすごく納得しました。
どういう事かと言うとね、例えば小さな子どもを家に置いてお母さんが買い物に出かける場面があるとします。
その時にお母さんが子どもにこんな事を言いました。
「戸棚のケーキはお母さんが帰ってくるまで食べちゃダメよ」と。
するとどうなるか
食べちゃうんです(笑)
なぜなら「食べちゃダメ」と言われると食べるところをイメージするからです。
言葉の使い方、表現方法が間違っているのです。
じゃあ、どう言えば良いのか?
「お母さんが帰ってきたら一緒に食べようね!」です。
その場面をイメージするから待っていられるです。
経営者の言葉にも当てはまります。
よく「このままでは危機的な状況になる」と言う人がいるでしょ?
分かりますよね?
「ちゃんとした対策を立てれば明るい未来が待っている」と言った方が良いのです。
言葉って怖いですよね〜!
そして言葉にはエネルギーが宿っています。
どういう気持で言葉を口にするか?で伝わり方が変わってきます。
僕がそれを痛感したのは夢新聞です。
夢新聞を書き終えた最後に、子どもたちに夢発表をしてもらいますが、一番最後に担任の先生にも無茶ぶりで発表してもらいます。
多くの先生が「キミたちが20歳になった時に、夢に生きているみんなと再会することが先生の夢です」と言います。
しかし、たったそれだけのありふれた言葉なのに感動してみんなが涙を流した事がありました。東日本大震災の被災地、岩手県大槌町で行った夢新聞教室です。
2011年 3月11日 14時46分
大地震が起きて、子どもたちはすぐに校庭に集合し、その後一斉に高台に避難しました。
なので犠牲者は少なかったのですが、校庭にいる時に親がクルマで迎えに来て津波に流され亡くなった子がいたそうです。
担任の先生も校長先生も、そのことを後悔していました。
引き渡すべきではなかったと。
その子の遺体が発見されたのは夏を過ぎてからでしたが、クラスの仲間は生きて帰ってくることを信じ、机もそのままにし、修学旅行のお土産も買ってきたそうです。
2011年の10月に行った夢新聞教室の最後、担任の先生の夢発表はこうでした。
「キミたちが20歳になった時に、夢に向かって生きているみんなと再会することが先生の夢です」
本気で言っていた。
だから全員に伝わったのです。
文章にするとたいしたことがなくても、それをどういう思いで言っているかで伝わり方が変わります。
すごく感動しました。
あれから5年が経ち、あと数年で彼らは成人を迎えます。
その時に、担任の先生の夢が叶うことを願っています。
社長の言葉にエネルギーはあるか?
テクニックを覚える前に、心得たいと思います。