リーダーがグイグイ引っ張るから社員は思考停止を起こす
優秀な組織には「静かなリーダー」がいる。
そう考えています。
元気な組織ってイケイケのリーダーがガンガン引っ張るというイメージがありますが、実はそうじゃない。
こと自発性に関してはリーダーが引っ張ると、まわりは思考停止を起こします。
自律型組織におけるリーダーは極めて静かな人であることが多いのです。
組織の状態はみんなでつくり出している
集団の人間関係は相対性で成り立っています。
イケイケの人がいると、それに依存して思考停止に陥る人が出ます。
または「何1人で盛り上がっちゃってんの?」とシラケる人が出る。
逆に、シラケている人がいると「お前ら何やってんだよ!」と燃える人が出る。
「組織の状態はみんなでつくり出している」
だから、リーダーはヤル気のない人に目を向けても解決にはならないのです。
集団のメカニズムに作用しなきゃいけないのです。
さて、そういう意味では、優秀な組織には「静かなリーダー」がいます。
リーダーが静かだと、まわりの人間が活性化するからです。
だたし、集団に「1つの目的」がある場合に限りですが…
先日、岐阜の山本呉服店さんで、ビジネス版の夢新聞を行いました。
夢と言うよりは目標の実現を描く色合いが強いものです。
企業のビジョンを、それが実現した未来の日付の新聞にするものですが、ビジョンと、その達成までのシナリオ、そしてそれに社員さんがどの様に関わったを書きます。
社長が新聞の1面を書き、それを受け、社員さんが2面、3面を書きます。
ワークの中にチームワークの学びが埋め込まれています。
社員さんは各部署で1枚の新聞をつくるため、全員が力を合わせないと完成しないようにできているのです。
そこで、まさに今日のテーマに遭遇しました。
社員の活性化のためにはリーダーは静かでいること
山本呉服店さんは多店舗展開していて、今回3店舗のメンバーが参加してくれました。
各店舗のメンバーが1つのテーブルに着きワークを行いました。
1つのテーブルには会長さんがいます。
僕は、会長さんの言動に、指示ゼロ経営を見ました。
すごく静かに見守っているのです。
員さんたちがずっと喋っていたのですが、明らかに会長さんは「自分が喋り出すと社員はそれに引っ張られる」と分かって、意図を持って静かにしているのだと感じました。
すごく活性化したテーブルでした。
もう1つのテーブルは(多分)店長さんの女性がそうでした。
具体的なアイデアは一切出さず、主に店舗の未来を語っていました。
ワーク中は、部下の発言に「それいいじゃん!」とか「あなたにはこういう才能があるんだから、それを活かしたら?」とアドバイスをしていました。
会長さんとは違う意味での「静かなリーダー」です。
もう1つのテーブルは、社長の娘さんがいるのですが、彼女の影響力でチームが動くことはありません。
全員が自由に発言して1つのカタチを作り上げていました。
メンバーに新入社員の方がいました。
その方が一番活発に発言していましたが、それは彼女のヤル気もさることながら、それを歓迎する雰囲気に秘訣があると考えます。
僕は色んな会社を見てきましたが、山本呉服店さんほど社員さんが自由闊達に発言する会社は見たことがありません。
その秘訣は「静かなリーダー」にあると考えます。
立場上、影響力が強いリーダーが引っ張ると、メンバーの個性や才能が消されてしまい、リーダーの発想以上のものは生まれません。
また、メンバーが互いに遠慮して個を発揮しないと、慣れ合いになり突き抜けた発想は生まれません。
それを「合議制の弊害」と言います。
みんなの平均=妥協の産物になり、つまらないものが生まれます。
1人1人が闊達に発言することで、斬新で魅力的なアイデアが生まれます。<
そにためにはリーダーは静かにしていたほうがいい。
そう考えます。
ものすごいエネルギーの場でビジネス版夢新聞ができたことを本当に嬉しく思っています。
今度は、社員がダンマリな会社でもやってみたいな。
それでは今日も闊達に仕事をしましょうね。
また明日!!