「上手になると下手になる」伝える技術には罠がある
挨拶って、表現力が試されると思う。
あ、「おはよう」とかの挨拶じゃなくて、みんなの前でする挨拶のことね。
僕も挨拶をする機会が多くて、実はあまり得意じゃないし結構プレッシャーなのです。
だって、挨拶を楽しみにしている人なんていないじゃないですか?
だいたい下を向いて、早く終わるのを期待しているもんね。
アウェー感満載の中で、上手な人は人の心を惹きつけています。
社長は、社内外問わず、挨拶をする機会が多いわけですが、そこで人の心をつかむには?ということを最近考えています。
形式だけの挨拶は何も印象に残らない
話の展開、事例の出し方、比喩の技術、表現力…
色々と要件はあるのですが、僕は「自分の気持ちを伝える」ことが基本だと思っています。
以前にある会合で、挨拶が「技術的に」上手な方がいました。
でも、心に残らない。
「上手だった」という印象だけで何を言ったのか覚えていないのです。
「え〜、みなさまのご努力、と言うものにですね、え〜、大変、感謝したいと、お〜、かように思っている次第であると、お〜、言うことでございます」
分かります?こういう挨拶ってオヤジ達って得意じゃないですか?
あ、僕はオヤジじゃないって言い方しちゃった(笑)
形式は上手、でも感謝の気持ちが伝わってこない。
「本当にありがとうございました!嬉しいです!」の方が伝わりますよね?
ていうか、本当に感謝している時って、シンプルな言葉になると思います。
逆に、気持ちがない時に、シンプルな言葉を使うと、いかにも気がないってバレちゃうんだよね(笑)
それをバレなくするのが形式なのか?と邪推してしまいましたわ(笑)
挨拶も、プレゼンも、最後は人間力なのだと思う
一方で、僕はある機会に小学5年生の女の子の挨拶を聞きました。
その子は東北で生まれ育ち、東日本大震災に遭いました。
全国の小学校が、その子が通う小学校を支援してたそうです。
具体的な支援はこう。
元気の象徴である「ひまわり」の種を全国の小学校が、彼女が所属する「ひまわりプロジェクト」から譲り受けます。
それを育て、秋に種を採取します。
種は爆破的に増えますよね?
それを彼女の学校に送り、学校中をひまわりでいっぱいにするという活動です。
参加者が多ければ多いほどひまわりで一杯になるという素敵な企画です。
女の子は挨拶でこんなことを言いました。
「咲いたひまわりを見た時に、私たちを応援してくれる人たちの笑顔に見えました。その笑顔は私たちに『大丈夫!みんながついているから!』と言っているように思いました。震災は辛かったけど、私は人生で一番大切なことを学びました。今度は私たちが誰かを応援したいと思います」
感謝の気持ちで震えながら話す彼女を見て、僕は本当に感動しました。
言葉以上に伝わってくる気持ちがあった。
形式が上手じゃなくても、自分が感じたこと、思っていることを、気持ちを込めて話すことが大切なのだと思いました。
気持ちがなければ込めようもない。
挨拶も、プレゼンも、最後は人間力なのだと思いました。
同時に、技術は諸刃の剣であると。
心に届く挨拶、プレゼンができる人間になりたい、そんなことを思った土曜日の朝でした。
それでは、あなたも素敵な週末をお過ごしください!
また明日!