地域貢献という漠然とした言葉に翻弄されない
「地域密着型の企業は地域貢献をすべし」そんな言葉を耳にしますが、僕はそれがとても危険をはらんだ考え方だと考えています。
なぜなら「地域」というものは実態がよく分からないものだからです。
どういう事かというと「地域の人」なんてこの世に1人もいません。
初対面で名刺交換をした時に「あ、初めまして、私、地域の人と申します」なんて人はいませんよね?(笑)
いるのは、柳沢昭さんとか山口佳久さんとか、具体的な名前を持った人です。
地域という漠然としたものを対象とすると、そこに関係性は生まれない、具体的な「あの人」と交流を深めることが大切だと考えます。
地域ではなく具体的な「あの人」を見る
なぜ僕がそれに気付いたかというと、地域貢献イベントを嫌というほどやってきたからです。
例えば、僕の業界(新聞業界)はまさに地域密着型ですが、地域貢献イベントとして、親子向けの映画の上演会を行うことがあります。
とても喜ばれるんですよ。
でも、そこに参加された方を「地域の人」とくくってしまうと、個々との関係性ができないから「映画、楽しかったね〜」で終わってしまうのです。
主催する側も、「みんな喜んでくれた」と満足していますが、「みんな」としか表現できないのは個々との関係性がないからです。
とても良いことをしているのに、勿体ないですよね?
具体的な「あの人」に喜ばれ、関係性をつくることで、結果的に地域に貢献している会社になれるのだと考えます。
関係の深い人を中心に関係が広がる
地域貢献と考えずに、具体的な人を対象にすると、やっていることは同じでもやり方が変わります。
例えば、映画の上映会だと、企画段階…どの映画にするかを検討する際に「あの人に観て欲しいな」と名前が上がります。
そうしたら告知をするときにその方に直接声をかけるでしょ?
「◯◯さんに喜んで欲しくて企画したんです」と。
会場でその方を見かけたら声をかけますよね?
地域の人を対象にした場合では得られない関係性が生まれます。
みんなに喜ばれることに変わりはありませんが、その中でも特に喜んでいただける方が出る。
喜びの総量が上がるのです。
そして、これをキッカケにその方との交流が深まります。
ここがポイントで、その方は例え小さくてもコミュニティを持っています。
コミュニティはメンバーの友人を快く受け入れてくれる性質を持っていますから、通常ではなかなか知り合えない人と仲良くなることができるのです。
これが地域に溶け込むメカニズムだと考えています。
漠然とした言葉に翻弄されないことだと思います。
それでは今週もがんばりましょうね!
また明日。