あなたは無力ではない。「小さなリーダーシップ」が全体を動かす時
私たちは、政府や経営者など「大きなリーダシップ」が問題を解決してくれると思いがちです。
だからこそ、権力がしっかりしてくれないと不満を持つわけですよね。
日本人は、市民の力で社会をひっくり返した経験がないために、大きなリーダシップに依存する傾向が強いと言われています。
だから、水戸黄門や大岡越前が大好きなのだと思います。
しかし、実は「小さなリーダーシップ」こそが変革の起点になることが多いのです。
今では信じられないことですが、30年前は駅や電車内、映画館、飛行機、はたまた病院の待合室でもタバコが吸えました。
これを変えたのは市民です。一部の市民が声を上げ、やがて運動に発展し、最後に政府が動き「受動喫煙防止法」が制定されました。
ハラスメントやジェンダー意識の高まりも同様です。
企業も同じです。
たまに、僕のブログを読んだ社員の立場の方から「今日のブログをウチの社長に読ませたかった」というコメントが入ります。
もちろん、企業は経営者が変わらなければ何も始まらないのですが、その方にもできることがあると思うのです。
記事を印刷して社長の机に置くとか(笑)
冗談はさておき、以前に、ある企業で研修を行った時のエピソードを紹介します。
その企業では、様々な問題を抱えていたのですが、そもそもの根本問題は、言うべきことを言わない「村社会的な風土」にありました。いつも上司に忖度したり、空気を読みすぎたりして、本質的な課題に向き合わないのです。
その日の研修も表面的な話ばかりで、問題の本質に到達しませんでした。
それを破ったのは若い女性…趣味でバンドをやっていそうなZ世代の社員さんの発言でした。
「うちらの会議って、すごく話しづらく気が重い」
僕はその場にいたから分かるのですが、彼女は、会社や社長、仲間への「不満」をぶちまけたのではありません。自らが率先して課題解決のための行動=「言うべきことを言う」という行動を起こしたのです。
彼女の姿に刺激され、1人2人と本音を口にするようになり、30分後は非常に活性化した場になりました。
アメリカにおける公民権運動の発端は、ローザ・パークスさんという1人の黒人女性の行動です。当時の社会には白人と黒人との間に完全な住み分けがあり、バスには白人専用の席がありました。そこに座ったという理由で彼女は逮捕されたのですが、彼女は警官に対し「私はなにか悪いことをしましたか?」と言いました。
彼女は活動家ではありません。自分自身の真善美に従っただけです。
僕は、下の図で「小さなリーダシップ」の影響力を構造化しています。
「言い出しっぺ」「賛同者」と役割は様々ですが、私たち一人ひとりが、立役者になる可能性を秘めていると思うのです。
.
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。
指示ゼロ経営マスタープログラム12期 募集開始
・自発的に共創するチームワークの条件
・短時間で豊かなアイデアを出す会議の進め方
・全員参加のプロジェクトの組み立て方
・自律型組織特有の部下との接し方
・自発的、継続的にPDCAを回すための仕組み