あなたの悩み、9割は「変えられないものを扱うこと」が原因

私たちは、しばしば自分でコントロールできないものに時間と労力を費やしてしまいます。
経営の巧拙は「資源配分の妙」ですので、コントロールできないものに資源を費やすことは避けなければなりません。

コントロール不能なものの代表は「他人」と「過去」だと言われていますよね。
しかし、分かっちゃいるが、つい振り回されてしまうもの。
私たちは、どうやってこれらを自分の制御下に置くことができるのでしょうか。
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❚ 過去の解釈を変えることはできる。

「過去」に関しては、事実は変えることはできませんが、解釈を変えることはできます。
過去への後悔というのは、過去の出来事や決断によって、何かが失われた、あるいは得られるはずのものが得られなかった時に生まれます。
しかし事象は表裏一体を成しており、何かを得た時というのは、同時に何かを失っています。逆に、失った時には何かを得ているものです。

例えば、僕は1995年に24歳で新聞業界に入りました。その後、業界は衰退の一途をたどります。35歳の時に「新聞屋なんか継がなきゃよかった」と後悔に念に苛まれました。
そんな時に師匠から言われたことがあります。

「この10年でお前さんは何を得たのか?」

得たものに目を向けると、足元にたくさん得たものがあったのです。

「経営は自分1人の知恵ではできないと悟ったこと」
「物事は栄枯盛衰であること」
「組織が変われない原因」
「正解がない時代の生き方」
「ビジョンの大切さ」

挙げればキリがありませんが、これらは今の仕事の基礎的な知見となっています。
もし、僕が失ったものばかりに意識を向けていたら、僕の口からは後悔と言い訳の言葉ばかりが溢れ出ていたことでしょう。
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❚ 自分たちでコントロールできるものだけに集中する。

「他人を変えることができない」ということも見ていきたいと思います。
これは本当に真理で、私たちの苦悩のほとんどは他人を変えようとすることで生まれると思います。

企業も同じですが、それを、MITのダニエル・キム教授が提唱する「組織の成功循環モデル」をもとに考えたいと思います。

「組織の成功循環モデル」は、関係の質が思考の質と行動の質を高め、結果の質を向上させる好循環を示す理論です。

これには悪循環もあります。
人間関係が悪いと、ろくでもないことしか考えられず、チームワークの不和などが起き、良い結果が出せず、それを他人のせいにして、さらに人間関係が悪化するという悪循環です。

さて、この中で自分たちでコントロールできるものは「関係の質」「思考の質」「行動の質」だけです。
「結果の質」に関しては、顧客が絡んでくるので自分たちの思惑通りにいかないことが多い。
にも関わらず、私たちはついコントロールできるものを雑に扱い、結果ばかり求める傾向があります。

これが業績不振、企業のブラック化、メンタルヘルスの不調、離職増加といった問題の原因ではないでしょうか。

過去や他人は変えられませんが、「解釈」と「関係性、思考、行動」は自分の手で変えられます。だからこそ、限られた資源を何に使うかが重要です。コントロールできるものに丁寧に向き合うことで、組織も人生も、少しずつでも確実に前に進んでいくのだと思います。
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