長嶋茂雄から学ぶ、ピンチから立ち直る「メイクドラマ思考法」

仕事に行き詰まると、「こんな商品は世に受け入れられないかも」とか「自分には経営の才能がないのかも」と弱気になることがあると思います。
そんな時こそ希望を持つことが大切ですが、残念なことに、希望とは「希望が持てる状態では持てるが、本当に必要な時には持てない」という性質があります。

そんな時に役立つのは、長嶋茂雄氏の名言にあると思っています。
「Make Drama」(メイクドラマ)です。
1996年のプロ野球ペナントレースで、首位に11.5ゲーム差を付けられ大不調だった読売ジャイアンツの選手を奮い立たせた、当時の監督だった長嶋茂雄氏の言葉です。
その言葉に奮起した選手は、その後、快進撃を続け優勝。まさにドラマのような展開でした。

長島さんが意図していたのかは分かりませんが「ドラマのように思考する」…つまり自分たちの上手くいっていない状況を、物語のいち過程に位置づける思考法です。僕も実践していますが、希望を紡ぐ上で非常に役立つと感じています。

どんなドラマも映画も、最初から最後まで順風満帆ということはありません。というか、そんなストーリーは面白くない。
変化と紆余曲折があり、最後にハッピーエンドを迎えるわけです。

物語には普遍的なパターンがあります。

「日常」→「日常を変える出来事」→「冒険への誘い」→「葛藤」→「メンターとの出会い」→「決断」→「出発」→「試練」→「乗り越える」→「最大の試練」→「勝利」→「日常への帰還」

「誰かを助ける」「誰かに喜ばれる」といったミッションがこのパターンをベースに達成されるのです。

シルベスター・スタローンは、ロッキーで「エイドリアンー」と叫び、彼女と抱き合いました。
これがもし、ロッキーが自分の野望を叶え、1人で喜んでいるというエンディングでは興ざめしてしまいます。
「自分の成功を喜んでくれる人」がいるというのが、みんなが喜ぶ普遍的なドラマ構成です。

これを企業経営に当てはめると、顧客、社員、社員の家族など、実在する人物が喜んでいる姿があるというストーリーメイキングが有効ということになります。
そうすることで「今のピンチは、その過程」という認識が生まれやすくなるのです。

僕の親友に、馬島 誠という、バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケーで銀メダルを獲った男がいますが、彼も同じことを言います。

「辛いことがたくさんあるこの世界で、自分のためだと言い聞かせても、大抵、自分で逃げるように自分で限界をつくる。そんな時は、大切な人の笑顔を想像する。この人を笑顔にするために、今、辛いんだと思うと、もうちょっとやってみようと思える。その繰り返しなんだと思う」

社長にも、社員さんにも見たい笑顔があるはずです。
その人が笑顔になるイメージを持ち、ピンチは「過程」と捉える思考法を、組織ぐるみで習慣化してみてはいかがでしょうか?

※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。


❚指示ゼロ経営を学びたい方へ

24年間に渡る実践と研究知見を様々な形で公開しています。 これまで、企業や教育機関などで1万人以上が学び実践しています。

指示ゼロ経営を学ぶ、お勧めのステップ

お好みのステップだけお選びいただくこともできます。