個人指導より「集団の力」!チームが自力で育つ組織づくり

先日、「指示ゼロ経営説明会」という、指示ゼロ経営の基礎を学ぶ勉強会を開催しました。
今日は、開催後に寄せられた質問をもとに記事を書きました。

その質問とは…

「1対1で指示ゼロ経営を育てるのは大変な感じがします。集団を育てて、後から入った人を指示ゼロに導くのはやりやすい気がしています。一人を育てる時は宣言しないで、感じさせるがよいように感じています。米澤さんはどう考えますか?」

「指示ゼロ集団を育てて、後から入った人が自然と自律的な文化に染まっていくのが良いのでは」というご質問だと思います。

あなたならどのように答えますでしょうか。
考えると訓練になるので、しばしお考えください!

さて、僕は、質問者がおっしゃる通りだと考えます。
指示ゼロ経営とは「集団活動」ですので、1人1人を育てても集団が育つとは限りません。
というか別物と考えています。
もちろん、基礎教育に関しては例外で、入社後しばらくは、先輩や上司がマンツーマンで手取り足取り教える必要があります。

それが済んだ後に、集団の営みに加わってもらいます。

ご質問に「1対1で指示ゼロ経営を育てるのは大変な感じがします」とありますが、その通りです。
なぜならば、1対1で部下を育てると、部下は何かあると上司に相談するからです。上司に相談しないと失礼とも感じるでしょう。
1対1の関係が強化されると、横のつながりが希薄になり協働ができなくなります。

集団活動を促すためには「集団に対して課題を出す」ことが重要です。

例えば、僕が経営してきた新聞店では「新聞配達のクレーム削減」というテーマで、集団に課題を投げかけました。
課題を与える際には「なぜクレームを削減するか?」…意義を理解してもらう必要があります。
「そんな事は言うまでもない」と思うかもしれませんが、自分で考えないと自分事にならず「やらされ」になってしまいます。

意義を確認する際には「その先に?」という問いを投げかけます。

「クレームが減ると、その先にどうなるか?」の問いを投げかけ、メンバーに考えてもらいました。3人〜4人の小グループを作ると話し合いが活性化します。

当社で行った際には次のような意見が出ました。

1、クレームが減ると→お客様に迷惑がかからない→購読率が安定する→会社が儲かる→給料が上がる。

2、クレームが減ると→クレームを受ける事務員さんが悲しまない→配達員は罪悪感を感じない→社内の人間関係が良くなる。

特に2が心に刺さったようです。経営者である僕は1にぐっと来たのですが、立場により関心事が違うんだなぁと思ったのです。

意義が共有されればクレーム削減のアイデアをチーム単位で考えてもらいます。
人数が多い場合は、小グループで考え→全員の前で発表をし→再び小グループで検討するという進め方をします。
最終的に、1人1人にクレーム削減のための行動を考えてもらい発表します。

集団を育てるには、集団に課題を与え、意義を考えてもらい、集団でアイデア出しを行うことが欠かせません。

集団で学び合う効果に関しては、先日のこの記事を参考にしてください。
「早い・安い・効果的…ポジティブデビアンスという組織開発法」

集団が育つまでには時間がかかります。それまではリーダーも集団の中に入り一緒に考えることが大切です。
丸投げはご法度です。

一度、育てば文化になりますので、ご質問者がおっしゃるように、後から入った人は自然と文化に染まるでしょう。
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