仕事と人生がつながった瞬間にモチベーションは劇的に変わる

結婚や出産を機に仕事に身が入るようになる人がいますね。
これは「大切な人のために頑張ろう」という気持ちが芽生えたこと…仕事と自分の人生が結びついたことによるものです。

僕はこの現象を「夢新聞ワークショップ」(以下WS)に応用して成果を上げました。
夢新聞とは、自分の夢が実現し、その活躍が将来新聞に載ったと仮定して、記事を手作りするワークショップです。未来の日付を入れ、夢が実現するまでのプロセスをできるだけ詳細に書きます。

WSではチームワークも学びます。
人は長所も短所もある不完全な存在だから夢は1人では実現できません。
そこで、協働を体験するために、ワークでは「制限時間以内に、クラス全員が夢新聞を完成させる」というミッションを与え、挑戦してもらいます。

WSの成否は、子どもたちに、いかにWSを自分事に捉えてもらえるかにかかっています。
WSは通常の授業とは別枠で行います。子どもたちすれば「余計な授業」ということで、なかなか集中して受講してくれないんですね。
そこで、夢新聞と人生を結びつける工夫をしました。

それは、ある会社の社長が「このクラスの人数分の夢新聞を1枚1000円で買おう」と言っている。ただし「時間までに全員分が届かなかったら買わないと言っている」という架空の設定をするのです。

期限までに成果物を届けるのはビジネスの世界で日々行われていることで、それと同じ場面設定をするのです。
そして、少しでも臨場感を出すために、おもちゃのお札を印刷して「ミッションを達成したらもらえるよ!」と伝えます。

子ども騙しのような仕掛けに見えるかもしれませんが、これにより夢新聞と自分の人生が結びつき、真剣にワークに取り組んでくれるのです。

さて、この要領を実際の経営に応用する1つのアイデアとして「個人の夢新聞を書く」という方法が効果的です。

ある企業で社員さんが書いた記事を紹介しますね。
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202X年X月X日の昼過ぎ。当社の成功をあるテレビ局が取材に来ることになっています。彼は昼間の仕事を特別に早く切り上げ取材を受ける気満々でやってきました。いつもはジャージしか着ないのに、なぜかその日はオシャレなスーツを着ている。取材用にポール・スミスで新調したらしい。仲間にからかわれながらも、彼は誇り高き目をしていました。それもそのはず。当社の成功の立役者だからだ。最初に女性インタビュアーが社長にこれまでの取り組みを事細かに訪ねた。どんな想いで、どんな発想で、どんなことをやってきたのか?
次に、スタッフにカメラが向く。彼は語った。自分の仕事への想いを、お客様のお役に立つことの喜びを。
放映は当日のニュースで6時40分ころに流されると告げられた。
家族で食事をとっている時間だ。彼は家族に予告せずにさり気なくチャンネルを合わせた。
最初に気づいたのは小学3年生の息子だった。
「あれ、父ちゃんじゃん!!!!」
彼は息子に語りました。自分の仕事のこと、どれだけ誇りを持って仕事をしているか、大変なこともあったこと…
そして、それを乗り越えられたのは「家族がいるからだ」と。
ずっと伝えたかったことを、初めて息子に伝えることができたのです。

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この記事を読んだ方の中には「非現実的な物語だ」と言う方がいますが、それで良いのです。私たちが映画や漫画から勇気づけされるのと同じで、エッセンスの部分=「大切な人のために頑張る」という感覚を掴めれば良いのです。

とても簡単な方法ですので、新年度の経営計画を発表した後に、社員さんに書いてもらってみてはいかがでしょうか。

しっかり効果的にやりたい方は、全国にいる夢新聞認定講師を派遣することができますので僕に相談してください。
↓お問い合わせはこちら
https://www.shijizero.jp/archives/n21927


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