改めて指示ゼロ経営の基礎を記事にしてみました。

先日、ブログの読者から「たまには指示ゼロ経営の基礎を書いて欲しい」と依頼されました。
ブログのテーマは、その時、僕が関心を持っていることを引っ張ってくるのですが、そういえば指示ゼロ経営の基本はしばらく扱っていないことに気付きました。
というわけで今日は指示ゼロ経営の基礎中の基礎を書きますね。

まず、指示ゼロ経営の誤解を解くことから始めなければなりません。
「指示ゼロ経営」という名前から、「指示をしちゃいけない」と考える方がいますが、そんなことはありません。まして、指示をしないと会社が良くなるなんてことはありません。

指示ゼロ経営は、社員の自律性を高めることで、自ら課題を設定し、三人寄れば文殊の知恵とチームワークで課題を解決する経営を目指します。
それを目指す過程で「気づけば指示命令がなくなる」という現象が起きるのです。

「PDS」を自律的に回せる組織」と言い換えても良いと思います。
※PDSとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「See(振り返り)」のサイクルのこと。PDCAとほぼ同じ。

僕は「PDS」を、下のような図解で説明しています。

この三角形を時計回りに回し続けることで仕事が進捗しますし人も育ちます。

赤い斜めの線は何でしょうか。
僕は、この線を「諸悪の根源の分断線」と呼んでいます。リーダーが計画を決め、部下にやらせ、その結果を報告させ、検証はリーダーがやる…PとSはリーダー、Dはだけ部下という分断構図を表しています。

斜め線は企業だけでなく、学校や家庭など、至る所で散見することができます。

斜め線が入った状態でも、課題の難易度が低く、変化が緩やかな時代では十分に通用しました。
それが、現代のように変化が早く、リーダーにも正解が分からない課題が多い時代になると通用しなくなります。

PDSを回す=試行錯誤の連続になります。今の時代に斜め線が入った状態でリーダーが1人で采配をふるえば、現場はリーダーに振り回され疲弊することになります。

「斜め線を撤去した方が、組織として成果を出せるだろう」というのが指示ゼロ経営の原点です。
ただし丸投げはご法度です。
最初は、リーダーもPDSをの輪に入り、一緒に考えることが大切です。

自分の会社で実験的に導入したところ、導入当初は混乱したのですが、馴染んでくるとこれが非常に調子がいい。
社員は、毎日を自由かつ主体的に生き、仕事に没入しとても愉しそう。人間関係も充実し非常に幸せそうなのです。
幸福という副産物があるんだな…と思ったのですが、ある時、はたと気づいたのです。

「これらは副産物なのではなく、主産物なのでは?」と。

そもそも、私たちがビジネスで成功したいのは、幸福になりたいからです。
その幸福が、仕事の行為の中に内在し、直接感じることができると気づいたのです。

人間は、愉しく幸福な時に豊かなアイデアを出しますし、PDSを回す根気も生まれます。
そう考えると、ビジネス的な成果の方が副産物だという結論に至ったのです。

これから指示ゼロ経営を導入したい方は、次のことを意識すると良いと思います。

▢チーム単位で課題と目標を持つこと。
▢諸悪の根源の分断線を撤去し、自分たちでPDSを回すこと
▢リーダーは、部下に丸投げせずに、十分に育つまでは自分もPDSの輪に入る。

今日は基礎中の基礎ということで、この辺で終わりたいと思います。
次回は、「そもそも、どうして自発的に動くのか?」という根本原理について書きたいと思います。
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