社長が孤独になってはいけない2つの理由

「社長は孤独」と言います。
社長経験がある方は痛いほど分かると思いますが、どれだけ社内に味方が増えても、やっぱり多少の孤独感は残るものです。

しかし、孤独感があるレベルを超えると、社内に様々な歪を生みます。もしかしたら、今、あなたの職場で起きている問題は社長の孤独に起因するものかもしれません。

今日の記事では、孤独の正体と、度を超えた孤独が引き起こす弊害について考えたいと思います。

孤独は、社員との関係性で決まります。
社員との間に労使関係の度合いが強まるほどに社長は孤独に苛まれます。「労」と「使」では「労」が数が多いですからね。
労使関係とは取引関係です。取引は、常に相手に対しより多くを求め続けます。社長は社員に対しより高い成果を、社員は社長に対しより高い賃金を求めす。
取引関係だけで埋め尽くされた職場は殺伐とし、社長は過度な孤独に陥ることになります。

するとどんな弊害が起きるのでしょうか。
1つは、孤独の悪循環です。
社長は、1人でも自分の味方が欲しくなります。しかし、取引が原理である以上、味方を増やすためには報酬で釣るしかありません。
ブラック企業が案外高待遇なのは、それ以外に社員を繋ぎ止める方法がないからです。
しかし、これでは、より取引の色合いが濃くなるばかりで、さらなる孤独に拍車がかかります。

弊害の2つ目は「社長自ら社内の良好な人間関係を破壊する」という事です。

そんな事が起きるのでしょうか。
実際の事例を見てみましょう。
ある会社では、人間関係のトラブルが後を絶たないという問題を抱えていました。
トラブルの発端は、社長と部長との関係悪化にありました。一般社員よりも管理職に対しての方が求めるものが多いので、取引関係になりやすいものです。取引関係は「他に結果を出してくれる人がいれば、あなたでなくてもいい」というメッセージを内包します。

部長は恐れから、自分の味方を増やすために部下との関係性を強めます。
それが社長の孤独感を増大させます。孤独に耐えられなくなった社長は、部長の部下との間に直接的な関係を作ろうとします。
割って入られた部長は面白くありません。部長は部長で、部下を囲うようになります。

可哀想なのは部下の皆さんです。社長と部長の争いに巻き込まれるのですから。

後で社長に聞いた話ですが、社長は、部長と部下の関係が悪くなると、自分の孤独が相対的に軽減したような気がして嬉しくなったと言います。

信じられないかもしれませんが、「社長自ら社内の良好な人間関係を破壊する」ということが起きるのです。

この状態から脱却するためには、取引関係の隙間に人間的な関係性を埋め込むことです。
簡単に言えば「役職は関係ない、人間と人間の付き合い」をすることです。
同社では、BBQ大会などの交流の場を作りました。最初は出席者が少なかったのですが、回を重ねる度に1人2人と増え、やがて社員や社長の家族も参加するようになりました。

気づけば、変な人間関係トラブルはなくなっていました。
件の社長は、「それでも社長は孤独」と言いますが、以前のような悲痛さはありません。

孤独が社内の歪を生む前に「人間と人間の付き合い」を深めることが大切だと考えます。
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