どうすれば「任せられないリーダー」を卒業することができるのか?
権限委譲ができない上司を見て、「自分が上司になったら部下の自発性を尊重し、どんどん任せる」と思っていても、いざ上司の立場になってみると理想通りにいかないものです。
任せるという行為は、簡単そうで非常に難しいものだと思います。
任せられるようになるためには、技術の向上はもちろんですが、精神的な成熟が欠かせません。
人には精神的なステージが上がる瞬間というものがあると言われています。それは、私たちが成長する過程で経験するものです。
1、衝動的に動くワガママな子ども
2、大人に従順な子ども
3、自分の意思で動くようになる。時に反抗的
4、他者に意見を聞き、尊重できる成熟した大人
難易度に関しては、2→3に成長するよりも、3→4への変容の方が難しいと言われています。
2の段階に留まっている部下は、上司に依存し、指示・命令に従順に従います。上司が3の段階であれば、共依存関係になり相性は良い。
部下が3の段階に入ると、自分の考えで判断し行動するようになるので、時に上司に反抗することもあります。
その際に上司も3に留まっていたら衝突は避けられません。
相性の良い組み合わせは「3の上司と2の部下」そして「4の上司と3の部下」ということになります。
上司が4のステージに立つと、自分以外の人間の力を結集して組織運営ができようになるので、より高い成果を上げることができます。
ところが3→4の変容は非常にハードルが高い。
その理由は、簡単に言えば「エゴが邪魔をする」ということですが、それには真っ当な理由があります。
任せられないという行為を、より具体的な行動に落とし込むと次の様になります。
「部下の発言を遮って口を出してしまう」
「部下の発案に対しダメ出しをしてしまう」
「わざと分かりづらい説明をする」
このような行為をする裏には、真の理由があります。「部下が未熟だから」という理由は表向きの理由で、真の理由ではありせん。
真の理由は「自分の賢さを誇示したい」「権力を振りかざしたい」「頼りにされたい」といったものです。
その背景には、「自分の賢さを誇示しないと、自分が保てなくて怖い」「権力を振りかざしていないと不安になる」「頼りにされないと不安になる」といった不安や恐れに接続されます。
任せたいと、頭では思っているが、実は、真の目的を達成するために、極めて合理的な行動をとっているということです。
しかし、不安や恐れは、自分が勝手に作った「思い込み」です。
任せられない上司からの脱却は、自分の中で働いている心の作用を知るところから始まります。
次に、「恐れや不安は思い込みじゃないの?」と疑いを持つこと。
最後に、任せてみること。そして「任せてみたら、思ったほど怖くなかった」という体験をすることです。
地道で時間はかかりますが、これが任せられないリーダーを卒業する王道だと思います。
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