組織は、原理的に陳腐化する宿命を負っている。

組織は、原理的に陳腐化する宿命を負っています。
陳腐化の原因は他でもない、社長や管理職です。
なぜなら、リーダー層が挨拶などでよく言う「常識に縛られない斬新な発想を」が一番苦手なのは、言っている本人で、若手の斬新な発想を「非常識」と断じてしまうからです。

時代に合った優れたアイデアを持ってくるのは、大抵、時代の空気に敏感な若い人たちです。しかし、彼らにはアイデアを実行する前に、上司の承諾を得るというハードルがあります。
多くの企業は、経験豊かな年配者が意思決定層に君臨しています。若手が持ってくるアイデアが真新しいものであればあるほど、年配者はそれを受け入れることができません。
自分の枠組みから外れたものは、どう見てもデタラメにしか見えないのです。

加え、キャリアの終盤にいる人は、できれば面倒なことを避けたいと考えがちです。斬新なアイデアは実行すれば飛躍するかもしれませんが、やらなくても、すぐ困るような事態にはなりません。
すると、合理的に「やらない」とジャッジするのは、仕方がないことなのかもしれませんね。

現在、私たちの生活に欠かせない様々なものは、経験豊かなリーダー層にボソクソに否定された歴があります。

「空気より重い機械が空を飛ぶことなど不可能だ」と言ったのは、英国王立協会会長、ケルヴィン卿でした。

ミシガン銀行頭取だった男は「馬は今後もずっと使われる。自動車は目新しいだけで、一時の流行に終わる」と言い、フォードに投資しない方が良いと周囲を説得しました。

IBM取締役会長だった、トマスジェーワトソンに至っては「5台分ぐらいならコンピューターの市場があると思うよ」と言い放ちました。

僕は、先日、自動車でセントレア空港まで行きましたが、道中、馬車は走っていませんでした。
空気よりも重い飛行機は、ほぼ満席でしたし、パソコンを広げているビジネスパーソンは5人以上いました。

リーダー層は、自分が組織のボトルネックになる可能性があることを自覚する必要があると思います。

ただでさえ、斬新なアイデアが抹殺される原理的構造があるのに、それに輪をかけるのがヒエラルキー組織です。
ヒエラルキー組織では、組織の安定化をはかるため役職者を数多く配置しますが、「関所」が多ければ、当然、ダメ出しの確率は高まります。
しかも、関所の番人たちは「失敗しなかったから」出世した人も多くいます。

もう、絶望的に組織は陳腐化する宿命を負っていると言えるでしょう。

先日、「考える前に行動してしまう馬鹿を焚きつける馬鹿になれ」という記事を書いたら、読者から「痛快だった」という感想をいただきましたが、陳腐化防止の最後の砦は「馬鹿な経営者」ということになると思います。

中小企業の社長であれば、自分自身、たくさんの挑戦と失敗を通じ成長してきたと思います。
若手の提案に対し違和感を感じても、騙されてやるのも重要な仕事ではないでしょうか。

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