経営者が陥る「悩むだけ損なこと」4選

以前に、ある社長が、経営が上手くいかない状況を嘆き「私は何かの罰ゲームをやらされているんじゃないか」と言いました。
また別の人は、「私は前世で悪事を働き、その罰として今生で経営者をやっているのかも」と言いました。

金の問題や人の問題など、会社を経営していれば悩みは尽きませんが、僕は、悩みと苦しみが軽くなる確実な方法を知っています。

人の苦しみは、物事が思った通りに進まない時に生まれます。
ここで、「思った通りに進む」を「思う」と「進む」と分解してみます。すると、思っていることが間違っている、あるいは無理があることで、順調に進まないことがあることに気づきます。

例えば、老いを嘆く人がいますが、そもそも「老いたくない」という思いに無理があるわけで、それを手放さない限り苦しみから解放されることはありません。

「無理ゲー」はやめようということです。
(無理ゲーとは、攻略が困難でクリアするのが無理なゲームを指す俗語です)

では、経営の世界にはどんな無理ゲーがあるでしょうか。

❚成長率を伸ばし続ける、あるいは維持する
ある経営者が「ここ数年、成長率が鈍化してきた」と悩んでいましたが、成長率の伸ばし続けることは無理ゲーです。
例えば、売上高が100万円の会社が、毎年10%ずつ成長するとします。すると2年目は10万円多く稼げば良いのですが、3年目は2年目よりも11万円多く、10年目は9年目よりも21万円、20年目は19年目よりも55万円多く稼がなければ10%の成長率は維持できません。

❚社員間の温度差がゼロになる
社員によってヤル気の温度差があることに悩む経営者がいますが、温度差をゼロにすることは不可能です。
組織は「2:6:2」で構成されると言います。ヤル気がある人材が2割、普通の人材が6割、ヤル気が乏しい人材が2割という構成になることが経験則で分かっています。
ヤル気のない人材を辞めさせても、残った人材から下の2割が生まれる…つまり組織全体のレベルは下がることになります。
組織は、常に温度差を内包したまま成長します。

❚問題が起きず安定した組織をつくる
成功した経営者の話を聞くと、その企業が、何の問題も悩みもない理想郷に到達したかのように見えてしまいますが、そんなことはありません。
外部環境は永遠に変わり続けます。その中で必死でバランスを取るのが「生きる」という営みです。変化がなくなる時は「死んだ時」です。
いわば、ぐらぐら動く平均台の上でバランスを取りながら前に進むのが経営(人生)です。
老師は「生物は死ぬと固くこわばる。つまり固くて強いことは”死の仲間”である」と言いました。
私たちは「もがく」ということを、もっとポジティブに受け止める必要があると思います。

❚大切なことを短時間でやろうとする
人材育成や組織風土づくりなど、大切なことほど時間がかかります。身体で言えば、本当に痩せたいのなら筋肉量を増やすなどして体質の改善が必要です。
3日で痩せたら3日で元に戻ります。
醸成に時間がかかる大切なことを短時間でやろうとすると、様々な歪が生じ、結局時間がかかってしまいます。
人材育成と組織風土づくりは、5年から7年のスパンで考えるのが適正だと考えます。
急がば回れです。

このように、そもそも無理ゲーに挑戦していることがあります。
「思った通りに進まない」のではなく、「思い」が無理ゲーであることを疑う必要があると思います。

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