才能と努力、本当はどちらが大切なのか?

昔から、「生まれか?育ちか?」という議論があります。
物事に熟達する要因は、才能(生まれ)か? 訓練(育ち)か?という議論です。この議論には決着がついていないようで、両方とも大事ということになっています。

一方で、別の視点から研究をしている人も多くいます。それは「どれだけ没入できるか?」という論点です。
熟達には没入が欠かせません。
フロリダ州立大学のエリクソン博士は、物事が熟達するには1万時間が必要と提唱しました。いわゆる「1万時間の法則」です。

モーツアルトは、3歳から作曲と演奏の練習を始め、6歳までにすでに3500時間もの練習量に到達していたと言います。

これを聞くと「1万時間の努力が必要」と解釈しがちですが、没入と努力はイコールではないようです。
荒川静香さんは、以前、メディアのインタビューに「現役時代には2万回は転んだ」と話していました。これに対しメディアは「努力が大切だ」と伝えましたが、本質はそこではありません。
むしろ「荒川さんにとってフィギュアスケートという競技が、2万回転んでも諦めないほど、没入できることだった」ということです。

没入の観点を持つと熟達への道が観えてくると思います。

「没入できることに取り組む」という事と「没入できる工夫をする」

ということです。

僕の事例で恐縮ですが、僕にとってブログは「没入できる取り組み」です。13年間ほぼ毎日書いているのですが、努力をしているという感覚はゼロです。
家族からも「その継続力だけは認める」と、褒められているのかよく分からない評価を受けますが、Youtubeは継続できていないので、継続力があるとは言えません。

「没入できる工夫をする」に関しては、僕が意図して行っているわけではなく、記事をSNSに上げると、コメントを入れてくれたりシェアしてくださる方がいて、それがすごく嬉しいのです。

人間が物事にハマるには次の2つの要素が必要です。

1、アイデアを自分で考え決め行動する。
2、行動したことによる変化・結果をできるだけ早くキャッチできる。

この2つの要件を満たすと物事が愉しくなり夢中になってしまうのです。
以前に、ゲームクリエイターに聞いたのですが、ゲームに夢中になるために、この一連をできるだけ早く体験させる工夫をするのだそうです。
僕はSNSの機能により助けられているというわけです。

「生まれか?育ちか?」の話は、企業では、「適材適所の人事と仕事の進め方」に置き換えることができます。

社員が仕事に没入するために、どんな工夫ができるでしょうか。


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