良い偶然を引き寄せる経営

会議をすると、積極的に発言する人と、あまり発言しない人がいると思います。
中には、最後まで黙っている人もいるかもしれません。
豊かな発想は、ワイワイガヤガヤの対話の中で生まれますので「もっと発言して欲しい」と言いたくなるのは山々ですが、対応には注意が必要です。

「もっと発言をしなさい」と言っても効果はありません。
というのも、発言をしない理由は、本人の問題とは限らないからです。
人は、自分よりも積極的に喋る人がいると静かになります。上司が目を閉じて腕を組んでいれば発言しずらくなります。
本人の問題ではなく「場」の問題を疑うべきです。

どうすれば、みんなが発言できる場はできるのでしょうか。

先日、ネットのビジネス記事で「必ず1つは発言することを義務付ける」という対策が紹介されていましたが、そんな対策で場が活性化するはずはなく、おそらく1人1人順番に発言して終わるでしょう。

むしろ「押してダメなら引いてみる」の発想で「意見が出なくてもOK」と伝えた方が効果的です。加え、「どんな意見もOK」「意見が変わってもOK」「ただし、仲間の意見を尊重すること」というルールを設けると、さらに発言は活性化します。

優れたアイデアは次の3つのプロセスで生まれます。

1、話し合いのテーブル上に多様でたくさんのアイデアが出る。
2、議論をする中で、1つのアイデアにスポットライトが当たる。
3、そのアイデアにフォロワーがつき合意に至る。

予定調和ではなく、偶然に生まれるものです。

このプロセスを支える便利なツールが「付箋」です。
1人1人に付箋を配り、意見やアイデアを書いてもらいます。勿論「アイデアが出なくてもOK」です。
書けたら、3人から4人の小グループをつくり発表をし、その後ワイワイガヤガヤ自由に対話します。
そこで新しいアイデアが生まれたら、それも付箋に書きます。

次に、グループの代表者で話し合いをします。代表者が固定しないように、時々、選手交代をします。選手になりたくない人は、仲間の誰かに自分のアイデアを託すこともOKです。

要するに、自分のアイデアを表明した上で、直接でも間接でも、何らかの形で対話に参画できるようにするということです。

これは、進行役がいるとやりやすいのですが、できるだけリーダーがやらない方が良いと考えています。
その理由は、リーダーにこそやって欲しい、別の役割があるからです。
それは、発言をしない人に「◯◯さん、何かアイデアない?」と振ることと、発言をした人に感謝をすることです。

良い偶然を起こすために、是非、ご活用ください。

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