上手くいった理由が「たまたま」と言える経営が一番上手くいく

僕は、仕事柄、成果を出した経営者に「上手くいった要因は何ですか?」と聞くことが多くあります。

多くの経営者から話を聞き、僕は、人生を変えるような発見をしました。

「たまたまですね」と言う人が何人もいるのです。

デキる経営者ほどそう言うので、最初は謙遜していると思ったのですが、よく話を聞くと深い意味があるのです。

僕がこの話を友人にしたら、「運かよ?」と言いましたが、その通りだなのです。

ビジネスに限った話ではありませんが、物事の成否は「運」で決まります。
といってもギャンブルではありません。

この世は不確実性で覆われています。
株価の変動、事故・事件、天気、政治政策、国際情勢、疫病、社員のコンディションなど、自分ではどうすることもできない力が複合的に働いており、影響を受けます。

特に、今は、世界規模で不確実性レベルが上がっています。

不確実性はリスクを生みますが、それは悪いことばかりではありません。
良い方向にもブレる可能性があるわけですから、目まぐるしく変化する状況からチャンスを掴むことができます。

不確実性が高まると、企業戦略は根本から変わります。
従来は、計画性が成功の肝でしたが、不確実性の時代は「トライ・アンド・エラー」です。
「やっては直し、やっては直し」の繰り返しを増やすことで、上手くいく方法を探る…確率論というわけです。

そういう意味で運なのです。

「たまたま」と言った経営者の言葉の真意は、たくさん試して、確率を上げたというだったのです。

中には、成功要因を理路整然と説明した経営者もいましたが、それは恐らく、後付けで因果関係整理した可能性があります。

「たくさん試す経営」が求められるなら、それに対応できる組織をつくる必要があります。

トップダウンで「たくさん試す」をやると、現場はリーダーがつくり出す変化に巻き込まれ疲弊してしまいます。
他人(トップ)が決めたアイデアを、部下は「やらされる」形になり「何度も試す」意欲が出ません。

というわけで「やっぱ指示ゼロ経営だよ!」と自慢話をしたいわけですが、自律的に「たくさん試す」をやるのは、口で言うほど簡単ではありません。

組織が自律的に「たくさん試す」をやるためには高いスキルが求められます。

1、集団で知恵を出すスキル
2、チームワークのスキル
3、検証と改善のスキル

これらのスキルがないと、「何も決められない」「チームで効果的に実行できない」「やりっぱなしになる」といった、だらだらした組織になってしまいます。

スキルの育成には、一定期間が必要ですが、身に付ければ、確率論を味方につける経営が実現すると思いますので、引き続き、当ブログをご活用ください。


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