社内に「良い三角関係」を築く

人間関係が上手くいく時も、こじれる時も、そこには「三角関係」があります。
もちろん、職場にもあり、組織風土に影響を与えます。

何かとネガティブなイメージがつきまとう三角関係ですが、実は良好な人間関係の構築にも貢献します。
今日の記事では、三角関係の不思議について考察したいと思います。

まずは悪い三角関係について。
悪い三角関係は、リーダーと部下が閉じた場…密室でやり取りすることから始まります。
一筋縄ではいかない重要な案件を検討する場合、みんながいるオープンな場で話し合いをすると、反論が出た時にリーダーが多勢に無勢になる可能性があります。
それを恐れ、密室での個別面談で説得をしたくなります。
しかし、ここで誤解が生じます。

個別の面談では、それぞれの部下に伝わりやすように話をアレンジしますが、その後、部下同士が話をすると「あれ?私が聞いた話と違う」となり疑心暗鬼が生まれます。

不安になった部下は、上司に確認や相談をするので、さらに密室会議が増えます。

部下:「ちょっと良いですか?」
上司:「どうしたの?」
部下:「いや、ちょっと確認したいことがあるんですが…」
上司:(部下の不自然な様子を察知し)「ああ、分かった応接室で話そうか」

密室で何やら話し合っている様子を見た別の部下は、「もしかしたら私の話をしているのか?」と不安になり、仲間に不信感を持つようになります。
不信感を持った人は、仲間が欲しくなるので、上司や仲間を巻き込み、さらに密室会議を繰り返し、もう人間関係はぐちゃぐちゃになります。

みんながみんな、確定事実ではない憶測で右往左往することになるのです。

以上が負の三角関係です。

これを防ぐためには、みんながいるオープンな場で話し合いをすることです。

次に、良い三角関係を確認しましょう。
これは、部長:課長:一般社員といった、立場が違う3人構成で効果を発揮します。
普段から蜜にコミュニケーションを取るのは、「部長と課長」「課長と一般社員」です。
一般的な組織では、課長を飛び越え、部長と一般社員が話をすると、課長が気を悪くしますからね。

良い三角関係は「良い告げ口」を通じ形成されます。

課長:「部長、私の部下のAさんがこんな活躍をしたんですよ」
部長:「それは素晴らしいが、きっと課長の指導が良かったからだね」

場面が変わり…

部長:「あ、Aさん。課長から聞いたんだけど、すごく活躍しているんだってね」

この三角関係では、一般社員のAさんは、部長から褒められたこともさることながら、課長が、部長に対し、自分の活躍を伝えてた…「良い告げ口」をしてくれたことが嬉しいのです。

部長も、Aさんや課長の活躍を見るのが嬉しい。
喜びが循環する三角関係だと思います。

もちろん、部長と課長との間で、Aさんのネガティブな面を話し合うこともあると思います。しかし、それが成長を願ってのことならば、やがて良い告げ口ができる日が来るでしょう。

まあ、あまり狙ってやらないことが大切だと思います。

人間関係が上手くいくときも、こじれる時も、そこには「三角関係」があります。

□悪い三角関係を作らないためにはオープンな場で対話をする。
□その場にいない人の悪口は言わない。
□個別面談をする場合は、その場にいない人の良い面を話題に出す。

というわけで、社内には良い三角関係をつくりましょう。


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