経験は、それを持っているあなたではなく、持っていない他者のためにある
「お金は、経験がない人から、経験がある人のもとに向かっていく」という話を、その昔、メンターに教えてもらいました。
例えば、僕は寿司を握った経験がありませんので、その経験を持つ寿司職人のところに行くということです。
先日、飛行機で青森に家族旅行に行きましたが、これも飛行機の操縦経験がある人に頼ったと考えることができますね。
私たちは、モノやサービスを買っているように思えますが、実は、他者の経験を買っていると解釈することができます。
そう解釈すると経営が変わる可能性があります。
他者がしていない経験、したくない経験はないか?という視点で商品・サービスを磨いたり、開発したりすることができるのです。
例えば、自律型組織のノウハウを提供している人は僕以外にもいますが、経験という視点から自分自身を見つめ直すと、特異な価値があることに気付きます。
それは数多くの失敗体験です。
今から25年前には自律型組織という概念すらありませんでした。習う場もなければ、倣う相手もいないので、徒手空拳の試行錯誤から編み出すしかありませんでした。
現在は、上手くいくノウハウを提供する専門家は数多くいますが、「こうすると失敗する」という方法も含め伝えることができる人は、そんなにはいないと思います。
このことは、新聞販売店を経営していた時にも応用することができました。
新聞店を経営し始めた当初の営業のスタイルは「お願い営業」でした。新聞の普及期ではこれで成果を上げることができましたが、成熟期に入るとまったく通用しなくなりました。
この時に、メンターから「経験を売る」という話を聞き、自分なりに他者がしていない経験はないか考えました。
新聞店には、どんな独自の経験があるでしょうか。
これがなかなか気付かないのです。普段から当たり前にやっていることが多く、それに価値を見いだせないのです。
そこで、友人に相談をしたところ、こんなアドバイスをもらいました。
「お前のところは、簡易印刷機を持っていて、販促を思いついたたら、速攻でチラシを印刷して配っているだろ?その経験が欲しい業者はたくさんあると思うぞ」
思いついた翌日には地域にチラシを撒くことができるのは、日々、市場で生鮮食品を仕入れる小さなスーパーにとって、喉から手が出るほどに欲しい価値です。
地域のスーパーの顧客には高齢者が多く、インターネットは使っていません。
良い品が入ったらすぐに当社に連絡し、チラシの作成、印刷、折込までを24時間以内に行うという、小回りが効く者同士がタッグを組むことでしか実現しない機動力の高い販促ができるのです。
これは、大手スーパーには絶対にできないことです。
生活者にとっても、抜群に鮮度の高い生鮮食品を手に入れることができるということで、まさにWin-Win-Winのサービスで、もうかれこれ20年間は続けています。
最後に、メンターが教えてくれた、もう1つの言葉を紹介します。
「経験は、それを持っている人ではなく、持っていない人のためにある」
あなたの会社にも、あなたが価値と認めていないだけで、特定の人にとっては喉から手が出るほど欲しい宝が眠っているかもしれません。
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