「指示ゼロ経営の常識は世間の非常識」の実例

このブログは、僕の思いつきで好きなことを書いていますが、たまにはゼロ経営の基礎知識について書きたいと思います。
「指示ゼロ経営の常識は世間の非常識」ということがあるので、特に、最近、指示ゼロ経営のことを知った方にはお役に立つと思います。

まずは「集団と関わる」ということについて。
指示ゼロ経営では、基本的に、個々の部下には関わりません。常に、集団で課題を持ち、みんなで知恵を出し、役割分担を決めて行動します。
その狙いは「創発」といって、ワイワイガヤガヤの会話の中で、アイデアがアイデアを呼ぶ「知の連鎖創造」が起きるからです。
また、みんなで知恵を出すことで、出たアイデアを自分事と捉えます。すると、役割分担が立候補で決まることが多く、適材適所が自然と実現するのです。
よって、リーダーは集団と対話をします。

図解すると下の右側のようになります。

左側が従来の関わり方、右側が指示ゼロ経営の関わり方です。

さて、この状態で、メンバーの誰かがリーダーに個別の相談をしたとします。すると、それを見た他のメンバー同じように相談に来るでしょう。1人2人と増え、やがて左側の関係性に戻ってしまうのです。

なので、基本的に、個々の部下とは関わらないということになるのです。

基本的に、ということは例外があるということです。
個人的、かつ深刻な悩みに関してはがっつりと関わります。また、課題の難易度によってはリーダーも創発の輪に入ります。

次に「褒めない」ということについて。
これに関しては「どうして?」と思う方が多いので、丁寧に説明しますね。

かの山本五十六も「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と言っていますしね。
これだけ読むと「褒めて育てる」技術論と捉えがちですが、この言葉には後半部分があります。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。 やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず」

ここまで読むと、何とも言えない温かい気持ちになるのではないでしょうか。
部下に対する尊重と愛情が伝わってきますね。
この言葉は、「部下に感謝し、成長を信頼できるリーダーたれ」という教訓なのだと僕は考えています。
リーダーの役割は、部下がそもそも持っている成長意欲、向上心を尊重し、それに沿ってサポートをすることです。

そこには相手をコントロールする意図がありません。
僕が言う「褒めない」というのは、「コントロールの意図を持って褒めない」ということです。
コントロールとは、「私に言うようにしなさい」ということで、相手を束縛します。
コントロールの意図を持って褒めると、部下は「褒められるかどうか?」が行動の基準になり、上司の顔色をうかがうようになるでしょう。
それでは一人前にはなりません。

このようなことを総合すると、山本五十六が言う「褒める」とは、部下を信頼し、部下の成長を確認し、物事が上達したら一緒に喜ぶということではないかと考えるのです。

他にも、「指示ゼロ経営の常識は世間の非常識」ということがありますが、それは次の機会に譲ることにしましょう。

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