あなたのビジョンが22倍も効果的に伝わる表現テクニック
ビジョンが部下に伝わらないと悩むリーダーがいます。
それは無理もないことで、ビジョンとは「ビジュアル情報」ですので、非常に情報量が多く、言葉で伝えるのは非常に難しいのです。
スマホの中身を見ると分かりますが、文字と動画のファイルサイズは大きく違います。1分間の動画の情報量は、文字に換算すると180万語と言われています。
小説家ではない一般人には困難です。大企業のように映像を制作するゆとりもありません。
僕は、常々、この課題に対し、ストーリーを交え表現することと、対話により情報量を増やすことをお勧めしてきましたが、改めてここでストーリーの効果について記事にしたいと思います。
スタンフォード大学ビジネススクールのジェニファー・アーカー教授によると、ストーリーを交えて伝えた方が22倍記憶に残るそうです。
ストーリーを交えた演説で脚光を浴びたのは、オバマ前米国大統領です。
シカゴで行った初めての就任演説では、実在する106歳の女性の物語を通じ、自身の政策を訴えました。
冒頭に アン・ニクソン・クーパー氏の紹介を行い、アメリカの進化を、彼女が歩んできた人生に照らし合わせ語ります。
この選挙ではたくさんの初めてが、そして世代を超えて伝えられていくであろうストーリーが生まれたが、今晩、私の胸にあるストーリーは、アトランタで投票した一人の女性のことだ。彼女は他のたくさんの人達と同じように、国政に声を届けるために列に並んで投票をした。一つのことを除いては – アン・ニクソン・クーパー氏は106歳だ。
彼女は奴隷時代のたった一世代後に生まれた。道には車がなく、空には飛行機がなかった時代だ。彼女のような人は二つの理由で投票できなかった。彼女は女性だったから、そして肌の色だ。
女性は黙らされ、彼女たちの希望は無視された時代。彼女は女性が立ちあがり、声を上げ、投票権を得たのを見てきた。埃の器に絶望があふれ、恐慌が全土を襲った時代。彼女はこの国がニューディールで、新しい雇用で、新しいセンスの社会的共通目標で、恐怖に打ち勝ったのを見てきた。
そして、彼女が自分に託した思いを語り、未来を紡ぐ決意を表明します。
そして今年、この選挙で、彼女は彼女の指をスクリーンにかざし、一票を投じた。なぜならアメリカで106年生きてきて、最高の時代と暗黒の時代を知る彼女は、アメリカはどのように変われるのかを知っているから。
アメリカ。我々はこんなに遠くまで来た。我々はたくさんを見てきた。しかし、まだまだすることがある。だから今晩、自問自答してみよう。もし我々の子供が次の世紀を見れるとしたら、もし私の娘が幸運にもアン・ニクソン・クーパーのように長生きできるとしたら、どんな変革を彼らは見るだろう?どんな前進を我々は築いてきただろう。
今が、この問いに対し、我々が答える機会だ。今が時だ。
新しいアメリカンドリームを語り、最後に例の言葉「YES WE CAN」で締めくくります。
あなたの会社にも、アン・ニクソン・クーパー氏のような、象徴的な人はいないでしょうか。
その方は顧客かもしれないし、一緒に働く仲間かもしれません。
「こんな瞬間をつくりたい」と思えるエピソードを持った人がいたら、その方を通じて、あなたの未来を語ることができると思います。
あるいは、他社のエピソードを引用し「こんな物語をつくれる会社にしたい」と伝えるのも有りです。
大切なことは、心からそうしたいと思えることをビジョンにすることだと思います。
※今日の記事の内容に関心がある方は「指示ゼロ経営マスタープログラム」にご参加ください。
社員さんの心を刺激するビジョンデザインを行います。
年内最後の開催ですので、お早めにどうぞ。