リーダーが信頼を失う「構造的問題」を解決する

旅行をするなら、電車と飛行機、どちらが良いでしょうか?
人それぞれ好みはあると思いますが、旅の目的と目的地によって変わるとしか言いようがないですよね。
一人旅で移動の過程を楽しみたいのであれば電車もよし、現地で思いっきり楽しむならば飛行機ということになります。
沖縄なら空を飛ぶか海を渡るしかありません。

目的により手段が変わるということですが、私たちは日々の仕事で「何を成し遂げるのか」(目的)を忘れ、「何をやるか」(手段)に意識が奪われることがあります。
何か問題を抱えた時に、いきなり「何をするか」を考えることはないでしょうか。

これだと、現地の楽しみを満喫したい旅なのに、鈍行電車を手配してしまうといった、見当違いな手段を選んでしまうことがあります。

この不条理は、やがてリーダーとメンバーの衝突や軋轢、相互不信に発展します。

それは、リーダーによる「口出し」「ダメ出し」「優柔不断」に端を発します。
成し遂げることが設定されていない状態でアイデアを出すというのは、目的も目的地も決まっていないのに歩き出すようなものです。
リーダーは不安になり、「何やってんの?」と口出しをしてしまうのは無理もないことです。また、リーダーとメンバーが違う目的を描いていたら、「違うだろ」とダメ出しをしてしまうでしょう。

せっかく自発的に動いたのにダメ出しをされれば、メンバーは「だったら任せるなんて言わずに指示を出してよ」と不満を持つのは自然なことです。
こうなると、信頼関係のリカバリーには大変な時間と労力を要します。

目的が不明確だと、リーダーが決断できないという事態も招きます。特に、予算決めができない。
アイデアを実行するのに、例えばシステムを購入するなど、費用がかかる場合、目的が不明確だと費用対効果が観えず、リーダーは首を縦に振ることができません。
その様子を見たメンバーは「反対しているのか?」と誤解したり、リーダーに対し優柔不断のレッテルを貼ったりします。

僕は、このような場面を何度か見てきて、目的設定の重要性を身にしみて理解したのです。

ところが、ビジネスモデルの賞味期限を起こしている業界などでは、目的が定められないという企業もあります。
新聞業界がまさにこの状態で、僕は本当に悩みました。

そんな時はどうすればよいのでしょうか?
もちろん、正解はありませんが、このフェーズでは、真逆の発想…ゴールから逆算してやるべきことを決めるのではなく、「歩きながら未来を発見する」という方法があります。
正解のない時代の行き方として、知っておいて損はないと思います。
是非、過去の記事をご一読ください。
「味の素が中期経営計画を廃止した件から、これからの経営を考える」


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