あと3分待ってみよう。きっと新しい世界が拓けるはず。

人材育成において「待つ」ということは非常に重要な要件です。
エジソンは大器晩成型として知られていますが、才能の開花を信じて待ったの母親でした。
もし、母親が待てない人だったら、現在の私たちを取り巻く風景は変わっていたかもしれません。

僕は、わずか3分待ったらまったく別の世界が拓けたという場面を何度も見てきました。
その中でも、おそらく一生、忘れないであろう女性教員のエピソードを紹介したいと思います。

その教員とは、数年前に夢新聞で出会いました。
夢新聞とは、将来、夢が叶った時に、自分の活躍が新聞に載ると仮定して、その記事を作るワークショップです。

夢新聞ワークショップでは、子どもたちに、あるミッションを与え、自立と自律に挑戦してもらいます。

「制限時間までにクラス全員が、1人残らず夢新聞を完成させる」

というミッションです。

やり方は全てお任せしますがスタートしたら講師も担任の教員も何を聞かれても答えません。
仲間と協働し課題を解決する体験をしてほしいからです。

スタートすると…
思うように助け合いが起こらず、担任はイライラ・やきもきします。

件の先生のクラスでは、たった1人、普段は特別支援学級で学んでいる子(A君)が最後まで書けず困っていました。
それを見た先生は落ち着かない様子でした。

「私が助けに入ろうか?いや、もう少し待てば誰かが助けに入るかも?」
「何で、みんな、A君を助けてあげないの?」

不安な時間が過ぎていきます。
そして残り時間、10分を切った時…

「もう待っていられない」…動こうとした瞬間…

ある男子生徒がA君の前に座り、助け始めたのです。

その時のA君、本当に安心した顔をしていました。

その姿を見た先生は涙を流していました。

素晴らしい光景ですが、泣くほどのことではないのでは?と思ったのですが、後にその理由が分かりました。
助けに入った男子生徒は、普段、授業態度が悪い生徒だったのです。
先生は、その子を問題がある生徒とレッテルを貼ってしまっていたのです。

その日の夜、先生からメールが届きました。

今日は本当にありがとうございました。夢新聞、すごく楽しかったです。
私がずっと気にしていた新聞が書けなかった生徒(A君)は、特別支援学級の生徒で、普段の授業はクラスにいない生徒でした。
あの子が出来ないことを他の子は当たり前だと思って助けないかも、、、みんな自分の新聞が大事で他人なんて目に入らないかも、、、とずっとドキドキしていました。
その生徒を最初に助けに行った生徒は、体育館で話を聞くときなど、真っ先に下を向いてだらけてしまう生徒でした。
今日の夢新聞がなかったら、私は助けに行った彼の足りない面ばかり見て、三年間過ごしたかもしれません。そして、彼の持っている素晴らしい面は、クラスの子誰もが持っているかもしれない面だと、改めて気づかされました。私、今日の一時間だけで、ずっと彼らを信用できます。中学生の可能性を信じられます。

あと少し…待ったからこそ拓けた素晴らしい未来です。
待たなかったら、まったく違う未来になったことでしょう。

部下が、会議で発言をしない時
提案をしてこない時
思うように結果が出せない時…

辛抱して待ってみる価値はあると思います。
もしかしたら、その辛抱が、後に未来を創るキッカケだったということになるかもしれません。

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