笑ゥせぇるすまんに学ぶ「心のスキマ」が駆動力に変わる経営

以前に、この10年間で、世界で最も書籍を売った日本人が、片付けコンサルタントの「こんまり」さんこと近藤麻理恵さんという記事を書きました。

この事実は、時代の大転換を示唆するとともに、経営のアップデートを要求されることになると考えています。

これまでは、生活空間をモノで満たすことに躍起になってきました。
しかし、今では、あり過ぎるモノを整理整頓し、空間をつくることに快を感じるようになっているわけです。

働く現場では、これまで「頑張れば豊かになれる」と発破をかけ、働く人のモチベーションを刺激してきましたが、もう、その命題が通用しなくなります。近年、盛んに言われる、出世や昇格に関心を示さない若者の台頭がその左証と考えることだできます。

まったく新しいモチベーションの駆動源が必要になっているにも関わらず、いまだに古い論理で働く人を動かそうとする企業が多いのではないでしょうか。
それは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態で、精神に二重構造が生まれ、精神を蝕みます。

では、新しい駆動源はどんなもので、リーダーは何をすべきなのでしょうか。
それを導き出す上で思考の支えになる問いがあります。

それは…

「何が不足しているか?」

ということです。

これまでは、生活空間にモノが不足していた。だから埋めたかった。
今は、何が不足しているのでしょうか?

それは、「働く意味」や「生きる意味」ではないでしょうか。
生活空間の隙間が満たされたら、今度は「心の隙間」が生まれたのです。

これを示す調査があります。
コンサルティング会社「デトロイト」が世界29カ国のミレニアル世代に行った調査では、就職先の選択で重視する項目として、賃金よりも「企業が掲げるミッション」を挙げる人が6割にものぼりました。

社会的に意義がある仕事に携わることに意味を感じる人が増えているということですが、それは、言い換えれば、「経済以外の何を充実させれば、私たちは豊かさを実感できるか?」という問いに答えるということです。
それを真剣に考える時代になったのだと思います。

働く人と企業側との間に、大きな溝があり、それが、企業が抱える様々な問題のボトルネックになっていると考えています。

その問題とは…

エンゲージメントの低下
仕事が原因の精神疾患の増加
離職の増加
自発性や創造性の欠如
付加価値の低下
深刻な人手不足

僕は新聞店を経営する中で、現代人が働く意味を求めていることを痛感してきました。
下の画像を御覧ください。これは当社がずっと使ってきた求人広告のキャッチコピーです。

求人広告の詳細は、ブロクでは公開していませんが、キャッチコピーの後には自分たちの事業の展望が記されています。
要約すれば「指示ゼロ経営を地域に広げ、地域の課題を地域の人たちが解決できる、自律性の高い地域づくりのお手伝いをする」という趣旨です。

誤解がないように説明しますと、これは、応募を増やすためのテクニックの話ではありません。
既存社員と何十時間も語り合って生まれた、自分たちの「意味」であり決意なのです。
この想いに共感した人が門を叩き、その人を、決意を持った既存社員が迎え入れるという関係性があるのです。

自分たちなりに「働く意味」を編み出した結果、上記の様々な問題が嘘のように解消されました。

この世は老いも若きも男も女も心のさみしい人ばかり。そんな皆さんのココロのスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。By 喪黒福造

社員が愉しく働く姿は、経営者にとっての何よりの報酬であると同時に、「足りないもの」なのかもしれません。
「足りないもの」を起点に、事業定義(ミッション)を再構築すると、目の前に広がる風景が一変するかもしれません。


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