雑談が多い職場で、学習効果と創造性が高まるワケ

コロナ禍でリモートワークが普及しましたが、やってみると不都合があったり、これまで当たり前に享受していた職場勤務のメリットに気づいたりと、働き方を考える機会になりました。

少し前の話ですが「Zoom」の運営会社が、社員に週2回の出社を命じたと報じられました。
リモートワークの立役者である企業が、職場勤務のウェイトを増やしたのだから、そのメリットは相当に大きいのでしょう。

職場勤務が見直されている要因の1つに「ランダム性」があります。簡単に言うと、知りたいという気持ちは、文脈の中で突然に湧いてくるもので、疑問が湧いたその時に学ぶのが最も有効ということになります。

雑談をしている中で、知りたいという気持ちがはたと生まれたという経験は誰にでもあると思います。
同様に、ヒラメキもランダム性から突然、降ってきます。

だから、昔から「重要な話は喫煙室で行われる」というのだと思います。

話は変わりますが、ランダム性は、生物の生存戦略そのものと考えられています。
ミツバチは、蜜を探す時に、個々のハチが四方八方に探索に飛び、蜜を発見したハチが仲間に独特のダンスで報せるという方法を取ります。

蟻が、エサを蟻塚に運ぶ最短ルートを発見する際も、集団行動ができない不良蟻が偶然に発見することが多いと言われています。

企業がランダム性を活用するならば、非公式の雑談の機会を意図的につくることだと思います。

Googleや3Mは、優れた新規商品・サービスを頻繁にリリースしますが、両社とも、研究職が、自分の裁量で自由に使える時間枠を持っています。

スティーブ・ジョブズの言葉にもランダム性に関するものがあります。

創造性は何気ない会話から、行き当たりばったりの議論から生まれる。たまたま出会った人に何をしているのかを尋ね「うわ、それはすごい」と思えば、いろいろなアイデアが生まれてくる。

いかがでしょうか?

・朝、出社すると、持ち場につく前に雑談で盛り上がる。
・仕事中に、自由に立ち歩き仲間とコミュニケーションを取ることができる。
・非公式なミーティングを、上司の許可なく開くことができる。
・仲間をタバコに誘うことができる。

どれも、規律が厳しい組織では、ダメな行動とされているものばかりです。
もちろん、程度の問題はありますがね。

ランダム性は、制度で実現するものではなく企業文化に依存します。
コントロール願望が強いトップは、部下のフリーな雑談を嫌います。トップと社員の関係が良くないと、トップは社員の非公式な会合を恐れ、禁止する傾向があります。

とまあ、Zoomからハチや蟻、そして3M、Google、スティーブ・ジョブズまで様々な事例を出しましたが、これだけ事例があるのは、ランダム性が自然界の理であることの証だと思うのです。

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