成功の予感を確信に変える「未来のセリフを表現する」というテクニック
ビジネスは「他者の気持ちに寄り添う営み」と捉えることができると思います。
顧客が、どんなものやサービスを欲しがるのか?どんな対応を心地よいと思うか?社員はどんな時にやる気になるのか?仲間を助けたいと思う時はどんな場面か?
こうした、他者の気持ちに寄り添う「感性」を持つ人がビジネスの世界では活躍します。
僕は15年間ほど、日本感性工学会に所属し、感性を学びました。
感性とは「高次脳活動」と言い、学会では、心という複雑な事象を総合的に扱います。
例えば、「カワイイ」と感じる気持ちの正体を研究したりしています。
「感性とは、他者の気持ちを適切にキャッチして、適切なアウトプットをする能力だよ」と、ある学者が僕に教えてくれました。
分かりやすい説明ですね。
感性が豊かな人は、例えば、妻や恋人から「仕事と私、どっちふが大切なの?」と聞かれた時に、「どっちも大事」だとか「もちろんお前が大事だけど、だからこそ仕事を頑張っている」などとは言いません。
落ち込んでいる友人に、何も言わずに「ただそこにいる」という適切なアウトプットができます。
さて、感性の説明はこのくらいにするとして、感性を身につける上でも、感性をビジネスの現場で活用する際にも、非常に強力な手法があります。
「相手の感情を、相手が口にするセリフで表現する」
というものです。
顧客が商品を手に取った時、妻にプレゼントを渡した時、社員が仕事で成功した時の感情を、セリフで表現できる時は、相当に相手の心に寄り添えています。
「U理論」の提唱者であるオットー・シャーマーは、人間関係の親密度を4段階に分類し、3段階目に「相手の感情を、相手が日常使っている言葉で表現できるほど一体化する」と説明しています。
ちなみに、4段階目は「なにか大きなものとつながった感覚を得る」という不思議な境地ですが、これは別の機会に扱いたいと思います。
試しに、あなたが今取り組んでいる事業が開花した未来に、顧客、社員はどんなセリフを口にしているか想像してみてください。
意外と難しいことに気づくと思います。
あなたの大切な人…家族や恋人、親友は?
自分はどんなセリフを口にしているでしょか?
自分のセリフでさえ難しいのではないでしょうか?
それだけ、気持ちに寄り添うことは難しいのです。
逆に、相手のセリフを確信を持って予測できたという経験もあると思いますが、そういう時は物事が非常に上手く行ったのではないでしょうか?
気持ちに寄り添えている時は、相手の気持をセリフで表現できますが、逆に、セリフを想像することで、相手の気持ちに寄り添う訓練ができます。
指示ゼロ経営のプロジェクトマネジメントでは、この手法をフル活用しています。プロジェクト開始時には漠然としていたセリフが、徐々に輪郭がはっきりとしていきます。それに伴い、成功の予感も色濃くなっていくのです。
先日、祖父の50回忌の法要があり、母が「おじいさんがこの場にいたら、きっとこんな事を言うね」と言っていたことで、今日の記事を書いてみようと思ったのです。
寄り添うことは、時空を超えるのかもしれませんね。
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