経営を車の運転に例えると、経営の問題点が色々と浮き彫りになる

以前に、経営をクルマの運転で例えた社長がいました。
これが深いんです。

その会話は「車を運転する時に、どこを見ていますか?」という問いから始まりました。

カーナビばかり見て運転するのは、自分で考えずに教科書に頼る経営。
行き先をコロコロ変えて右往左往してばかりの経営。
バックミラーばかり見るのは…過ぎ去った過去の栄光ばかり見ている経営だそうです。

速度メーターなどの計器ばかり見て運転している企業があると言います。それは、経営数字ばかり見て経営しているということを意味します。
サイドミラーばかり見ているのは、ライバルに意識が奪われている状態。
これでは乱暴な運転になり、同乗者は酔うし、社会に迷惑をかけることになりますね。

メーターとサイドミラーばかり見ている企業で営業職として働く友人がいますが、会う度に「必死の思いで目標を達成しても、すぐに次なる要求が来る。四半期ごとだよ。無限地獄だ」とこぼします。
車の運転に例える話をしたら、「燃費最悪、社員はクルマ酔いするし、横断歩道で待っている歩行者の存在にも気づかない。しょっちゅう下車させる(リストラする)バスだな」と切り捨てました。

数年前に、お邪魔した、和歌山の「てらがき農園」さんはとても素敵な運転をされていました。
同農園は無農薬で梅を育てています。(非常に珍しい)
さらに農協には出さずに、自分たちで加工をして、自分たちで商品名、値段を考え、色んな工夫をして販売しています。

ホームページに記載されている社長の思いを転記しますのでご覧ください。

昨今、南高梅のブランドも、時代の流れ(価格競争)にあおられて、どんどんと変化しています。少しでも傷があると梅が売れなくなり、いつしか化学肥料に頼り、農薬を使い、「安全性よりも見た目の美しい梅づくり」が重視されるようになってきました。そんな中でも父は、「皮ごと食べる梅だから・・と」有機肥料と低農薬にこだわりつづけ、少しでも農薬を減らすようにと研究し、安全で安心な梅作りを貫いてきました。そして、2007年より、思い切ってすべての畑を自然栽培・無農薬栽培にきりかえました。無農薬栽培にきりかえてから、私たちの想像以上に販売できる梅が少なくなりました。
その量は、通常農薬を使用する場合の約1/10、低農薬の時とくらべても約1/5です。
だからといって、5倍や10倍の価格で販売できるわけではありません。傷のある梅は、梅ジャムや梅シロップ、梅酢などの加工品にしたり、何か無駄なく上手に美味しく利用できるものはないか・・・と日々試行錯誤の連続です。
それでも、みなさんの体にも、環境にも、喜んでいただける梅作りができる事に、感謝し、嬉しく誇りに思います。
ここで紹介している商品は、そんな中から生まれたもの達です。
農薬を一切使わず、自然栽培栽培からつくった梅は生命力100%の梅です。梅本来のもつ素朴な美味しさと、ほんとうにいいものを食した時の体が喜ぶその感覚をゆっくりと感じていただければ嬉しく思います。

お読みになり、どんなことを感じましたか?

僕が同農園の社員さんに「素晴らしい経営ですね」とお伝えしたところ、後日、こんなメールが来ました。

農園に入ってから、いつも心に思っていることは、毎日みんなで愉しく働けて、(みんなが心地よい自分もちゃっかり心地よい笑感じです)トラブルがあっても みんなで相談して乗り越えてまた ほっとしてまたみんなで笑って ただシンプルにそうおもって、入社してから1年半が過ごしてしました。愉しんで進んでいきたいです。

僕に車の運転で経営を教えてくれた、冒頭の社長は、自社が目指す経営をこう表現しました。

『自分たちが目指す場所に向かい、しっかりとハンドルを握り、前を見て運転する経営です』

聞いた瞬間に、てらがき農園さんが心に浮かんだのです。

経営を自動車の運転に例えると、色々と気づくことがあります

自社が普段、どんな運転をしているか振り返ると理想的な経営が観えてくるかもしれません。


※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」をしてください。
読者限定セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。

※【残席8】指示ゼロ経営マスタープログラム10期 」募集中
指示ゼロ経営のすべてが学べる唯一の公開講座です。
自分たちで課題を発見し、みんなで知恵を出し、協働し解決する『プロジェクトマネジメント』の全容を学びます。