知恵を使わない「対処的解決」は、後になって会社を蝕む
この春の賃上げ率は5%を超え、メディアが「33年ぶりの賃上げ」と騒ぎましたが、物価を考慮した実質賃金は23ヶ月連続で減っていることが明らかになりました。
賃上げムードに押され、業績が伴わないのに無理して賃上げをし、倒産に追い込まれた中小企業も過去最多を記録しています。
社員の生活を守るために、一次的な措置としては必要ですが、問題の根本解決にはなりません。
物事の解決には「創造的解決」と「対処的解決」があります。
賃金の問題で言えば、前者は、みんなで力を合わせ業績をつくり、賃金を上げるという前向きな解決法です。
対し、後者は、パイを増やさずに解決しようとするので「パイの取り合い」に発展する可能性があります。
実際に、「生産性の悪い年寄りの賃金を減らし、若い人に回すべきだ」といった意見があります。そんなディストピアで創造性豊かな仕事ができるのでしょうか?
あるいは、会社の利益を減らして対応するば良いと言う人がいますが、これは一次的な措置(対処療法)としては必要ですが、長続きはしません。
知恵を使わない「対処的解決」は、後になって会社を蝕みます。
このことは賃上げ以外にも言えます。
忙しくなると「人を増やしたい」という声が現場から上がります。切実な声だし、仕方がないことです。
この問題に対し、安易に人を増やせば、後に自らの首を絞めることになります。
「人を増やしたい問題」は創造的解決で改善できます。
具体的には、①効果のない仕事をやめる ②仕事の滞りを解消する ③みんなで助け合うという3点セットで取り組みます。
当社では、改善するまでの「中継ぎ」として、OB社員の手を借りたこともあります。
根本解決をせずに、安易に人を増やすと、効率の悪い仕事を大勢でやることになり、生産性が悪化するだけです。
対処的解決法は知恵を使わなくて済むし、時間がかからないので、つい流されてしまうから注意が必要です。
そのツケは後になって払うことになります。
一時的な措置と割り切り、早く創造的解決にシフトすることが大切だと思います。
今日の記事は、是非、社員さんと共有してください。
課題を抱えた時に、創造的に解決する機運をつくる一助になれば幸いです。
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