万人に理想のリーダーシップなどない。「状況とリーダーの個性に合った」最適な形があるだけ

世の中には「こうあるべき」という観念が蔓延しており、私たちはそれに振り回されてしまいます。
例えば、「男性はこう、女性はこう」という固定観念があります。昔は、ランドセルの色に関しても選択肢はありませんでしたからね。
それが、今では多すぎて悩むほどバリエーション豊富になりましたが、それは時代の進化であり歓迎すべきことだと思います。

「自分に合ったものを選択する」…これはリーダーシップに関しても言えることです。

色んな人が自分の好みで「理想のリーダー像」を語ります。「寛容さが必要」「革新的であるべき」「部下の話を聞くべき」「率先垂範すべき」「部下の気持ちに寄り添う優しさが必要」
と、挙げればキリがありませんね。
大抵、リーダーは、自分が長けている属性ではなく、足りないものを指摘され振り回されてしまいます。

この世に「絶対的なリーダーシップ」なんてものはありません。リーダーシップは文脈で決まるもので、状況やリーダーの個性によって最適なリーダーシップは変わります。危機時であればトップダウンで指示命令した方が上手くいくでしょうし、平常時であればリーダーシップに依存しないシステム重視の経営が求められます。
創造性が必要な状況であれば、上下関係なく自由にアイデアを出し実行できる場をつくることが求められます。

その時々で求められるものが変わるわけですが、求められるということは「今組織にそれが足りないから」です。すでにあれば「必要だ」なんて議論にはなりませんからね。
求められているのに、リーダーにその素養がないと自分を責めてしまいますが、責めたところでどうにかなるものではありません。

リーダーは、自分にできないことは仲間に頼れば良いのです。発案が苦手であれば、それが得意な人に頼る。聴くのが苦手であれば、傾聴力がある人に頼ればよく、自分は自分の属性が活きるポジションで動けば良いということです。

これができないと、たまたま状況とリーダーの個性が合った課題しか解決できなくなり、経営は単なる「運」で決まることになります。
変化が激しい時代の経営法としてはあまりに脆弱です。

指示ゼロ経営では、状況に応じ変幻自在に変わることができる組織デザインを志向します。
リーダーは事業の目的やミッション、自分の思いなどをメンバーに伝え、共感レベルの合意をつくり組織に魂を吹き込みます。
これが最も重要な役割です。
そして、その実現のために、「しかるべき人がしかるべき役割を担う」ということをメンバーに求めるのです。
メンバーにとっても、自分の個性が歓迎・尊重され、チームの中に自分の居場所ができるので賛同してくれるでしょう。

リーダーを含む全員の「才能のパズル」で最高の絵を描くということです。
パズルのピースはリーダーだけで動かすのではなく全員の参画が必要です。
そのためには今日の内容をメンバーみんなの共通認識にすることをお勧めします。


※今日の記事に関心を持った方は、「指示ゼロ経営マスタプログラム」という講座をお勧めします。
自分たちで課題を発見し、みんなで知恵を出し、協働し解決する『プロジェクトマネジメント』の実践法を身につけることが目的です。
リーダーは1人で抱え込む事が減り孤独から解放されると思いますよ。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!