リーダーは時に「問題を先延ばしする勇気」が求められる
互いに気を遣い、言うべきことを言えない村社会のようなチームよりも、自由に発言することで対立が起きるチームの方がはるかにマシだと思います。
村社会状態であれば、まずはそこからの脱却を目指すことが優先です。
それから、一時的に「対立的議論」に陥り、やがて「建設的対話」に進化していくのです。
建設的な対話をするためには「思考の整理」と「心の整理」の両方が必要だと思います。
まずは比較的簡単な「思考の整理」について考えたいと思います。
対立の発端は、誰かが発した意見に反対者が現れることで始まります。もっと詳細に言うと、誰かが提唱するアイデアに対し「そのアイデアにはこんなデメリットがある」と反論するという形です。
「提唱者のアイデアのメリット」vs「反論者が主張するデメリット」という構図です。
この議論を放っておくと、いつまで経っても平行状態が続きます。そのストレスから、安易に多数決を取ると、良質な意思決定ができないばかりか、賛成派と反対派の間の溝が生じることになります。
この「AかBか?」の議論に終止符を打つためには、『メリットが活きデメリットが解消される「C案」を考えてくれ』と伝えることです。
二項対立を終わらせない限り、未来は拓けません。
互いが互いを見ている状態を「互いが同じ方向を見る状態」に変えるのです。
ところが、それで納得しないのが人間という生き物です。「分かっちゃいるけど、感情が反発する」ということがあるのです。
それは「相手のことが嫌い」といった単純な感情ではなく、もっと根の深いものに起因することがあります。
例えば、「他者から”凄い”と認められたい」という強烈な衝動によって自己主張するケースがあります。これは、本人も自覚していないが、幼少期に「親から厳しく評価されて育った」といった根の深いコンプレックスに起因している可能性があります。
「頭の声」…理性では、いかにも正しい理屈をたれますが、真の意図はコンプレックスという「心の声」に突き動かされた衝動なのです。
「頭の声」と「心の声」が一致していない状態です。
この不一致によって生まれる主張は、100%自分を満たすためであり、組織繁栄を真剣に考えたものではないことがあります。しかし、論理に筋が通っており説得力があるので、周りの人が納得してしまうのです。
他者が、その不一致を察知するには、違和感を肌で感じ取るしかないと思っています。
主張に純粋さを感じないとか、変なエネルギーに包まれているとか、主張と行動にミスマッチがあるとか、そういう違和感です。
そのように身体感覚で違和感を察知する能力を「ソマティック・マーカー」と言いますが、身体がアラートを鳴らした時は、絶対に結論を急いではいけません。
かく言う僕は、非常に察知能力が低く不得意ですが、そんな心得がリーダーには必要だと考えています。
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