顧客の心に「美しい感情を残す」商いが、みんなに大切にされ受け継がれていく
「使った後に顧客の心に何を残すか?」という問いで経営の将来性を測る
「無人島に1冊だけ本を持っていくとしたら?」「地球滅亡の日に、最後に食べたいものは?」といった「究極の問い」があります。
選ばれるものは普遍性の高いものが多いと言います。
ある調査では、後者の問いに対し、最も多かった回答は「おにぎり」「味噌汁」「母の手料理」だったとか。
私たちビジネスパーソンにとって考えさせられる問いがあります。
それは、「これまで人類が作ったものの中で、1つだけ宇宙コロニーに持っていくとしたら?」という問いです。宇宙コロニーとは、人類が地球を脱出し、行ったら最後、戻ってこれない場所です。
人類存続のために、次世代に託すという意味を持ちます。
あなたなら何を選びますか?
この問いを、小学生から高齢者まで、幅広い年代に投げかけたところ、18世紀以前に作られた文化財が最も多かったそうです。
文明的なものよりも文化的なものが選ばれるのが興味深いですね。
きっと、精神的支柱があらゆる繁栄を生む土壌だからだと思います。
それらは「古いから価値がある」というわけではなく、時間を経ても淘汰されずに支持され続ける真に価値あるものです。
ちなみに、僕は「空也上人立像」を選びます。
宇宙船内に、人間に混じって佇む姿を想像すると怖いですがね 笑
これらのものたちの特徴は、「消費されずに、いつまでも心に残る」ということに尽きると思います。
心に残るということは人格形成に影響し、ひいては社会の形成にも影響を与えます。そんなものたちが人々に大切にされ続けるのだと思うのです。
僕は、生活者の購買には3種類あると考えています。
1、生きるために必要なもの
2、他者に優位性を示すもの
3、充足と愉悦に満ちたもの
それぞれを「心に残る」という観点で考察すると商いのヒントが得られます。
まずは、大企業が得意な「生きるために必要なもの」ですが、この購買活動は「生活のための作業」です。作業であれば、安く効率的に行いたいですよね。
特に心に残るものはないと思いますが、次の2と3の礎として重要なものです。
次に「他者に優位性を示すもの」ですが、これは「オレ、ブランド品を持ってるんだぜ」といった、虚栄心を満たす購買です。
この購買では何が心に残るでしょうか?「マウントした快感」あるいは「自分よりも上が出てこないか?」という不安と焦りが残ると思います。
これを豊かだと思う現代人は、もはやいないと思います。
最後に「充足と愉悦に満ちたもの」ですが、これは商品・サービスそのものだけではなく、接客やデザイン、立地など多岐にわたり、美しい感情を残すものです。
これこそが、成熟社会において大切にされ続ける価値だと考えています。
あなたのお店、会社で購入したお客様は、心にどんな感情を残すでしょうか?
「美味しさへの驚き」「家族と会話を弾ませる愉しさ」「また家族と来れるように明日からも頑張ろうという意欲」「店主やスタッフへの感謝や尊敬」
こうした美しい感情が作り出せれば、コロニーではないけれど、「もし引っ越しても、その街にもあってほしい」と願われるような企業になるのではないでしょうか?
そして、そんな企業こそが、心の豊かさに満ちた社会を創っていくのだと考えています。
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