経営が上手くいかない時は、大抵「互いに要求し合う」関係になっている

「星の王子さま」などの作品で有名な、サン・テグジュペリに「愛し合うというのは、見つめ合うことではなく、同じ方向を見ることだ」という名言があります。

陶酔するほどに美しい言葉だと思います。

夫婦も恋人も過程も友人も、そして企業も「同じ方向」を見ている時には上手くいきますが、互いを見ている=要求し合っている時は上手くいきません。
見つめ合うではなく、睨み合っている状態ね。

開発と営業の睨み合いがその典型だと思います。
開発は「こんなに良い製品を作ったのに、売れないのは営業がだらしないから」と言い、営業部は「いやいや、良いものなら黙っていても売れるわね」と反論します。すると、開発は「黙っていて売れるなら営業なんか要らないわ」と反論するという、不毛なやり取りが発生します。

社長が、社員に「もっとヤル気を出して」と要求すると、社員は「だったらもっと給料を上げてくれ」と要求し返します。

一度、この構図にはまると、卓球のラリーのように応酬が続くから怖いと思います。

これはこれで行動の動機になりますが創造性は生まれません。作業の積み重ねで成果が出る場合にのみ有効な関係性だと思います。

勿論、互いへの期待はあるし必要だと思いますが、要求し合うのと「応え合う」のは全く違います。

もし、このような構図に陥っていたら、関係を「同じ方向を見る」関係に変えることです。

要するにビジョンを持ち、「実現のために、出来ることを皆んなで持ち寄ろう」と宣言することです。
さらに加えれば「要求し合う関係をやめ、与え合う関係をつくる」と、やめる事と創る事を明確にすることです。
今の土台をベースにつくり上げるのと、壊した上でつくるのとではマインドセットが全く違うからです。

もし、メンバーが「いや、私は要求し合う関係の方がいいです」と言えば、ことは難しくなりますが、そんな人はいません。貢献し合う関係性は人間にとって心地の良い普遍的なものだからです。

要求し合う関係性は建設的ではありません。1日の多くを、何かあった時に、自分の責任ではないことを証明することに時間と労力が使われます。

もしそうなっていたら「壊して再構築」の手順で直しましょう。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごし下さい。


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