過去最悪の人手不足は、企業が「好き嫌い」を表明しないことに起因する
日本商工会議所の調査によると、人手不足に陥っている企業が過去最多となったことが分かりました。
人手不足の防衛策として、「賃上げの実施、募集賃金の引上げ」を実施した企業が7割に上ったにも関わらずです。
賃上げが人手不足の解消に効果を発揮しないことが浮き彫りになりました。
一方、東京商工リサーチの調査によると、2023年に人件費高騰が原因で倒産に追い込まれた企業は、昨年対比で8.4倍にのぼり、過去最多を記録しています。
人手不足の防衛が、文字通り、命がけの対策になっているのです。
人手不足の対策を進めている企業もあります。
先日、ファミレスに入ったら、ロボットが料理を運んでいて驚きました。もう注文からお会計まで、(調理以外は)完全無人化されるのも時間の問題でしょう。
これは「モノを提供する」ことを命題とする大手の経営には向いていますが、中小企業はそうはいきません。
モノの供給では大手には叶いませんから、それ以外の価値で勝負しなければなりません。
その価値とは「関係性の価値」で次の3つの柱から成り立つと考えています。
「好かれる」「信頼される」「共感される」
完全無人化のお店に対し、そんなに好感も共感も抱かないと思います。注文したものを速やかに、それなりのクオリティで提供してくれるという信頼で成り立つ商売です。
しかし、より条件の良いお店が現れれば、簡単にお客様を奪われてしまいます。
中小企業は、これまで以上に「人間の感性に頼る」経営に進んでいくと思います。
それに伴い、教育もマネジメントも採用も変わります。
これまで、「よく知っていて役立つ人」の育成は国をあげて行ってきましたが、「好かれる人」「共感される人」の育成は行われていません。
企業経営は、数字の最大化・効率化には力を入れてきましたが、「共感される企業」への取り組みはほとんど行われていません。
共感される企業への転換はものすごく大変だし勇気が要ります。
思想や哲学、思いがなければ共感は生まれません。
「世のため人のため」といったありきたりの標語では、人の心は動きません。
皆んなに好かようとして、皆んなからどうでもいいと思われてしまうのがオチです。
「これは好きだが、これは嫌い」と好き嫌いを持つことが大切だと思います。それをハッキリと表明するかどうかは企業の芸風によりますが、「思い」を持てば、共感する人とそうでない人に分かれます。
僕は、アップルが1980年代にリリースしたCMを見て、同社のファンになりました。
明らかに、好き嫌いを表明しています。
顧客を選ぶことで、特定の顧客から選ばれる…これは雇用に関しても同じです。
共感があれば求心力が高まり、簡単に離職はしませんし、共感する人を惹きつけ採用数も増やすことができます。
過去最悪の人手不足のニュースを見て、企業のあり方を根本から見直す時期に来ていると思い、今日の記事を書きました。
選ばれたければ選ぶこと。
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