「鬼は外、福は内」は最初に鬼を追い出すことに意義がある
先日、2月3日に、恒例の「未来創造大会」というイベントを行いました。例年、一粒万倍日に行ってきたこのイベントを、今年は節分にしたのには理由があります。
それは、「鬼は外」をしたかったからです。
豆まきは「鬼は外、福は内」と、最初に鬼を追い出しますが、これは「まず出すこと」の重要性を込めたのだと僕は推測しています。
「かーっと熱を出した方が風邪は早く治る」と言いますし、「膿を出し切る」という表現からも、最初に出した方が物事は上手くいくと考えています。
さて、イベントでは、古い思考や思い込み、エゴなどを「追い出す」ための情報を共有しました。
人類はこれまで非常に長きにわたり「物質的な欠乏」と戦ってきました。ビジネスの役割は「欠乏からの開放」でした。生活者は様々な不便・不満・不都合を抱えており、例えば「もっと暖かい家に住みたい」「もっと早く遠くへ移動したい」といった課題を教えてくれました。
それにビジネス側が応えることで企業も経済も発展してきました。
それが、ほぼ達成されたのが現在です。
GDPの伸び率が鈍化するのと反比例して生活満足度は高まっています。モノの生産効率は非常に良いので、人口が減れば「モノあまり」になります。
過去を振り返ると、そういう時期に文化が発展します。
縄文時代、人口増加期の土器は形状がスッキリとシンプルなのに対し、人口減少期のそれは綺羅びやかな装飾がなされています。
江戸時代にも人口減少期がありましたが、その時期に浮世絵や屋台文化が開花しています。
モノの充足というミッションが終盤に差し掛かっている上に、人口減少期に、「モノをたくさん作ってたくさん売る」という経営…数字を伸ばし続ける経営をすると歪が出るのは当然のことです。
働く人はストレスに苛まれ心を病みます。邁進すればするほど環境を破壊します。
最近、不正が明らかになった企業はみんな「モノの充足」の土俵で戦いまくっている企業ばかりです。
モノのビジネスの土俵は、勝者が総取りする超真っ赤っ赤なレッドオーシャンです。
中小企業には向いていません。
これからの時代、中小企業は「文明」ではなく「文化」の土俵で活躍すべきと考えています。
それは「心の充足」の領域です。
「特に不便はしていないけれど、もっと充実したい」「不便はないけど、なんか不安」「特に欲しいものはないけれど、何か心が満たされない」
ニッチ化する「望み」は無限です。そして、それに応えられるのは小さな会社です。
話を「鬼は外」に戻します。
僕は別に「全部を捨てて総入れ替えを」と言いたいのではなく、一度、追い出してみて、使えるものは戻せば良いと考えているのです。
それは、一度リセットしてみないと分からない、だから一度出すことだと思うのです。
というわけで、あなたは何を追い出して、何を招き入れますか?
それでは今日も素敵な1日を!